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朝日新聞デジタル|更新|2015/05/14

値上げの兆し、ネコの餌も

施設で飼う猫をなでる「ライフボート中部」の足立さつき代表。「健康に育て、飼い主に引き渡すのが私の役割です」=岐阜市
施設で飼う猫をなでる「ライフボート中部」の足立さつき代表。「健康に育て、飼い主に引き渡すのが私の役割です」=岐阜市

 値下がりが続いてきたペットフードが、値上がりに転じるかもしれない。

 

 岐阜市の足立さつきさん(45)は最近、あることに気づいた。毎月のホームセンターのキャットフードのセールが減っているのだ。


 保健所から捨て猫を引き取り、飼い主を探す「ライフボート中部」の代表。約50匹分のえさは1カ月で約100キロで、年間のえさ代は20万~30万円にのぼる。
 セールで3~4日分をまとめ買いすることでやりくりしているだけに、セールの減少は厳しい。「猫は味にうるさく、えさの質を落とせば食べなくなってしまう」と困り顔だ。

 

 セールの減少は、数字にも表れている。
 全国のチラシ情報を集めている「チラシレポート」によると、キャットフードで売れ筋の缶詰(160グラム×3パック)の価格は、全国のホームセンターの平均で昨年12月~今年8月は190円前後と横ばい。しかし、掲載数は約700回で、昨年末に比べて、約3分の1に激減していた。
 キャットフードの主原料は魚。製品は人件費の安い海外でつくり輸入している。これまでは円高で安く輸入できたが、アベノミクスで円安が進んだことで価格が上昇。原料のマグロやカツオの漁獲量が減ったことも重なり、販売価格は上昇に転じようとしている。

 

 公表はしていないが、9月から一部商品で卸売価格の値上げに踏み切った社もある。「キャラット」ブランドの日清ペットフード(東京)は一部を値上げ。「モンプチ」ブランドのネスレ日本(神戸市)は一部で量を減らした。値上げはしないものの、ある社は「小売店にセールを控えるように頼んでいる」と打ち明ける。
 一方、ドッグフードの価格は横ばいが続く。主に魚でつくるキャットフードと違い、原料が穀物のほか肉類も使うため、価格の変動に左右されにくいようだ。
 ペットフード協会によると、昨年の犬・猫の飼育数は約2100万匹。少子化で減少が続く15歳未満の人口を上回っている。
 今や約1兆4千億円にまで成長したペット市場で、ペットフードは約3割を占める中核商品。来春には消費増税も控えており、飼い主は悩ましい日々が続きそうだ。

(井上亮)

 

(朝日新聞 2013年9月23日掲載)