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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2015/05/19

ペットアレルギーに注意

 犬を飼う世帯は全国で約900万、猫を飼う世帯は約550万。一般社団法人ペットフード協会がまとめた2012年度の推計値だ。その中にはペットアレルギーで悩む人たちもいる。

 


 

 神奈川県相模原市に住む翻訳業の女性(64)は、猫を飼って約40年になる。飼い始めて5年ほどたった頃、せきが出るようになり、ある朝、呼吸困難で目覚めた。気管支ぜんそくと診断され、血液検査で猫アレルギーと判明した。それでも飼い続け、今の猫は3代目。1日2回、吸入ステロイド薬を使いながら暮らす。「飼わない方がいいことは重々承知している。でも、私にとって猫とのコミュニケーションはとても大事」


 アレルギーの原因物質は、犬の場合は上皮やふけ。猫だと皮脂腺の分泌物や唾液(だえき)中のたんぱく質、上皮。ハムスターなどの齧歯(げっし)類は尿中のたんぱく質だ。症状は目の痛みや鼻水、じんましん、湿疹に始まり、重くなればぜんそくや呼吸困難になることもある。


 病院で血液検査をすれば、アレルギーかどうか、ある程度わかる。用賀アレルギークリニック(東京)の永倉俊和院長によると、陽性と出た人がペットを飼い続けると6人に1人、15~20%は症状が悪化する可能性があるという。「ロシアンルーレットのようなもので、当たった時は深刻です。飼育をめぐって家庭内不和が起きることもある。最悪の状況を考えれば飼うことは勧められない」と話す。


 国立病院機構相模原病院(相模原市)の前田裕二医師も「陰性の場合でも、症状が実際に出ていたら飼うのはやめたほうがいい」と言う。


 それでも冒頭の女性のように、ペットがかけがえのないパートナーだという人はいるだろう。譲り先が見つからない場合、捨ててしまうわけにもいかない。
 アレルギー症状があるのに飼い続けるとしたら、どんな点に気を付けたらよいのか。永倉さんに聞いた。


 犬はなるべく外で飼う。また、シャワーを浴びさせ、毛皮をきれいにすればアレルゲンを減らせるという。齧歯類は、ケージの床材をこまめに交換するとよい。
 猫のアレルゲンはどこにでもくっつく。取れにくく、掃除してもなかなか減らない。猫は寝室には入れないほうがよい。アレルゲンが寝具にたくさん付着すると症状悪化の危険が高まるからだ。


 患者の中には庭に小屋を作って猫を飼っている人もいるという。永倉さんは「アレルギー治療の原則は原因となるものを遠ざけること」と話している。(吉川一樹)

 

(朝日新聞 2013年5月27日掲載)