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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2015/05/21

谷中、猫の町「2・22 にゃんにゃんにゃん」



 2月22日はニャンニャンニャンで「猫の日」。寺や細い路地が多い東京・谷中には、昔からたくさんの猫が暮らしています。最近は猫好きをひきつける店も多く立ち並び、すっかり「猫の町」になりました。

 

猫好き招く「地域猫」

 昭和の風情が残る通りを猫たちが我が物顔で横切ったり、冬の日差しを浴びながらのんびり日なたぼっこしたり。
 こんな光景が当たり前の谷中でも、日暮里駅から商店街へと下る階段夕やけだんだんは、特に有名な猫スポットだ。毛色もまちまちなたくさんの猫たちが集まってくる。
 気ままな猫の暮らしを見ようと、休日になると大勢の人間もやって来る。兵庫県から来たという男性は「雑誌で知りました。東京へ観光に来た目的の一つです」と、熱心にカメラを向けていた。
 この辺りで暮らす猫は、荒川区と台東区で活動するボランティアたちが管理や世話をする「地域猫」だ。どの猫にも名前が付けられており、買い物客もなじみの猫に「シンおいで~」と声をかけたりする。

 

お店も猫づくし

 夕やけだんだんのすぐ上にあるのがねこあくしょん。自宅で十数匹の猫と暮らす店長の山下由美子さんが、2009年に開いた「猫雑貨」の店だ。
 小さな店内には文具や調理用品、Tシャツなどさまざまな雑貨が並び、オリジナル商品も多い。「飼い猫に似たものを見つけ、喜んで買っていくお客さんもいます」と山下さん。
 階段を下って谷中銀座へ。本物そっくりな猫のオブジェが店の屋根から通りを見下ろす。この商店街には、東京芸術大生が制作した木彫りの猫が全部で7体置かれている。
 谷中銀座にあるやなかしっぽやは、猫のしっぽをイメージした焼きドーナツの店。スティック状のドーナツ(100円~)は、クリームチーズ入りや塩キャラメル味など約15種類。商品名も「キキ」や「とら」と猫を連想させる。「食べ歩きにどうぞ」と店員の渡辺春美さん。
 谷中小学校を過ぎると、住宅街に猫の置物が目を引く一軒家を発見。大きな看板にはギャラリー猫町の文字。12年前の「猫の日」に「キャトグラファー」を名乗る猫専門写真家の板東寛司さんと、妻でライターの荒川千尋さんが開いたギャラリーだ。陶芸や絵画、写真など猫をモチーフにした作品ならジャンルを問わず展示している。
 作品解説から始まった作家と客の会話が、猫の話題に転じて盛り上がることもしばしば。3月3日まで猫を題材にした作品をつくり続ける、もりわじんさんの個展「超化(ちょうばけ)」を開催中だ。
 締めくくりは、熊本出身の上村美鈴さんが兄弟と営む猫町カフェ29(にっきゅう)で。「猫カフェではなく猫のいるカフェ」(上村さん)。5匹の猫が飼われていて、昼寝したり遊んだり……。
 猫を見ながら味わえるのは熊本の郷土料理。人気メニューは甘納豆で肉球が表された「いきなり団子」とドリンクのセット(900円~)で、夜は本格的なコース料理も楽しめる。
 台湾から来ていた客の夫婦が飼い猫の写真を見せてくれた。「台湾はスリムな猫が多いけど、日本の猫は丸々してかわいい」。ここでも話題の中心は猫。「谷中は昔から猫と共生してきた町。今でも猫が人やものをつないでくれるんです」と上村さんは話す。(永井美帆)

 

■ねこあくしょん

 荒川区西日暮里3の 10の5(電話03・5834・8733)。[月]休み。
■やなかしっぽや

 台東区谷中3の11の 12(電話3822・9517)。
■ギャラリー猫町

 台東区谷中2の6の 24(電話5815・2293)。[月]~[水]休み。
■猫町カフェ29

 台東区谷中2の1の 22の1階(電話3827・3329)。[月][火]休み。

 

(朝日新聞 2013年2月22日掲載)