「みんなの協力で殺処分ゼロに」保護犬猫の譲渡会 広島・福山

穴吹動物専門学校であった保護犬と猫の譲渡会。たくさんの市民が訪れた=広島県福山市
穴吹動物専門学校であった保護犬と猫の譲渡会。たくさんの市民が訪れた=広島県福山市

 一時保護された犬や猫の世話をして新たな飼い主を探す広島県福山市の市民団体と、動物専門学校がタッグを組んで、学校構内で犬猫の譲渡会を初めて開いた。市民団体は今後も月1度のペースで譲渡会を催し、飼い主のいない犬・猫を減らしていくという。

 

 譲渡会を主催したのは、この春に結成された「福山犬猫譲渡会実行委員会」。主に犬の殺処分ゼロを目指して動物愛護活動をしている「アニマル・サポートひげとしっぽ」と、飼い主のいない猫に不妊去勢手術をして地域で適切に飼う「地域猫活動」などをしている「ねこみみ」のメンバーら6人で構成している。

 

 譲渡会を開くには、▽犬と猫を別々に見せたり触れたりできる空間が屋内にある▽来場者向けの駐車場がある▽市民団体が運営資金を得るためのグッズ販売スペースがある――などの条件をなるべく満たさねばならない。10日に初めてあった譲渡会で、スペース提供に応じた穴吹動物専門学校(同市東町2丁目)は、これらの条件に合い、理想的な場所の一つだ。

 

譲渡会の運営には学校の教職員や学生のボランティアも加わった=福山市
譲渡会の運営には学校の教職員や学生のボランティアも加わった=福山市

 この日は、トリミング実習室に岡山県内のボランティアが保護した犬4匹を、壁一枚隔てた部屋に福山市内で保護された猫4匹を実行委のメンバーが連れて行った。学校内の教職員や学生約20人で作る地域貢献などを目的にした「わんにゃんサポーター」というボランティアも譲渡会の運営に加わった。

 

 福山犬猫譲渡会実行委メンバーの岡田真由美さんは「殺処分ゼロの取り組みが各地で進んでいますが、行政や大きな団体だけに任せるのではなく、みんなで協力していかなければ達成できないのが実情」と話す。譲渡会の場所の提供のほか、保護した犬猫の一時預かり、団体の運営、手作りグッズの作製などに協力してくれるボランティアが多く必要だと説明する。

 

 譲渡会に協力した穴吹動物専門学校教員の屋敷さやかさんは「学校として初めて、こうした試みのために場所を提供しました。学校行事や試験などが優先されるので毎月は難しいですが、できる限り協力していきたい」と話す。

 

 実行委による次回の譲渡会は、5月22日午前11時~午後2時、同市松永町3丁目の犬猫雑貨店「ひげとしっぽ」で開かれる予定。

 

(雨宮徹)

朝日新聞
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