最年少の警察犬指導士、21歳の高橋さん 埼玉県警

嘱託警察犬になる「アンナ号」と、指導士の高橋ありささん=埼玉県ふじみ野市
嘱託警察犬になる「アンナ号」と、指導士の高橋ありささん=埼玉県ふじみ野市

 民間人が飼育・訓練する犬に捜索などの警察の仕事を託す「嘱託警察犬」の指導士に、さいたま市に住む高橋ありささん(21)が嘱託された。県内の指導士で最年少。幼い頃に知った、新潟県中越地震での警備犬の活躍をきっかけに、犬とともに働く仕事を志した。

 19日に県警本部で嘱託式があり、高橋さんは真剣なまなざしで阿波拓洋・刑事部長らの話に聴き入った。

 2004年の新潟県中越地震で起きた土砂崩れの現場で、警視庁の警備犬「レスター号」は生き埋めになった2歳の男児の生存を突き止めた。当時小学生だった高橋さんは、新潟の父の実家に行った際に現場を訪れ「こんな場所で犬が活躍したんだ」と感動した。

 高校卒業後の進路に、レスター号を育てたふじみ野市の犬訓練施設「オールドッグセンター」に付属の訓練士養成学校を希望。花粉のアレルギーがあり、屋外作業が多いことを心配されたが、諦められず入学し、屋外訓練にも耐えた。昨春からオールドッグセンターで訓練士として働く。

「椿(つばき)」が愛称のメスのシェパード「アンナ号」とともに今年4月、嘱託警察犬の審査会に初めて臨んだ。緊張で足が震えたが、アンナ号は落ち着いて力を発揮し、合格できたという。任期は6月から1年間。「審査会では椿に助けられた。これからは相棒として協力し、人の役に立ちたい」と話している。

(佐藤祐生)

<嘱託警察犬>
 年1回の審査会で合格した民間の犬と指導士に警察犬の業務が嘱託される。鑑識課によると埼玉県警の警察犬は全て嘱託で、ラブラドルレトリバーなど4犬種89頭。昨年の出動は669件で、うち13件で行方不明の高齢者や児童を見つけるなどした。指導士は33人で、依頼があれば24時間態勢で出動。平均年齢が40歳を超えており、若手育成が課題という。
朝日新聞
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