オペラ歌手、犬猫の保護活動にも全力投球 山田由紀子さん

「20世紀最高の歌姫マリア・カラスが憧れ」と話す山田由紀子さん=群馬県高崎市
「20世紀最高の歌姫マリア・カラスが憧れ」と話す山田由紀子さん=群馬県高崎市

■病弱な少女、多彩に開花

 ソリストとして藤原歌劇団の舞台にも立つソプラノ歌手であるとともに、経営者、イベントプロデューサー、ラジオのパーソナリティーの顔も持つ。近年はNPO団体の理事として、動物愛護の活動にも力を入れる。


 生まれ育った群馬県高崎市を拠点に、活躍の場は国内にとどまらない。そのエネルギッシュさと優しい笑顔からは想像もつかないが、小児ぜんそくの発作とアトピー性皮膚炎で苦しんだ少女時代は学校になじめず、いつも下を向いているような子だった。


 転機は声楽との出会い。音大のピアノ科を目指していた高校2年の時、受験に向けた個人レッスンで歌うことの楽しさに目覚め、東京の武蔵野音大声楽学科へ。しばらくして発作やアレルギーは不思議と消えた。「全身での呼吸法が体質を変えたのかも。オペラ歌手として人生を歩むんだ、と決意もできた」


 卒業後も「日本オペラ振興会」で学んだが、実家は普通のサラリーマン家庭だ。「これ以上、親に経済的負担をかけられない。オペラを続けるために自立するには経営者になるしかない」と26歳でイベント関係の会社を興した。


 当時はまだ、女性の起業に対する世間の目は冷たかった。営業に行っても相手にされず、つらい思いをした。借金も抱え、「20代は歌どころではなかった」と言う。だが、病弱だった少女時代に身についた「耐える心」で、次第に信用を得ていった。


 さまざまな活動の一方、犬を飼ったことがきっかけで、捨て犬を一時預かって里親につなぐ保護主にもなった。いまは「群馬わんにゃんネットワーク」の理事として、講演活動などに奔走する。「人間が勝手に繁殖させ、捨てる『負のサイクル』は許されない。弱者である動物にきちんとした環境を整えられない社会は、人間にも同じです」


 多くの出会いが培った人脈も、その活動を支えている。


(日高敏景)

朝日新聞
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