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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2016/11/19

野生動物への愛からアーティストに ゴリラ専門画家と虎好きのアクセ作家

油彩100号Sの「愛(いと)しい子たち」=阿部さん提供
油彩100号Sの「愛(いと)しい子たち」=阿部さん提供

 動物好きが高じて、アーティストとなった2人の女性がいる。ゴリラ専門の画家と、トラ好きのアクセサリー作家。世代もジャンルも違うが、野生動物への愛は同じように深い。

 

■ゴリラを描き続けたい 画家・阿部知暁さん

 

 画家の阿部知暁(ちさと)さん(59)=埼玉県春日部市=はゴリラだけを30年以上描き続けている。30日~12月6日、東京駅そばの大丸東京店で絵画展が開かれる。


 高知市出身の阿部さんがゴリラと出会ったのは小学6年生の修学旅行先の動物園。「ゴリラが私の顔を見て笑ったんです」。大阪芸大卒業後、1990年ごろから、世界各地の動物園や国立公園をめぐり、ゴリラだけを描くようになった。


 運命が決まったのは95年ごろ、アフリカ中部のザイール(現コンゴ民主共和国)でのこと。スケッチしていると、ゴリラが後ろから頭をポンポンとたたいて去っていった。周囲の人が驚いてシャッターを切った。仲間と思われたらしい。「いつの間にか外見もしぐさもゴリラっぽくなってきた」と阿部さん。テレビ番組でマツコ・デラックスから「あんたは本当のゴリラババアね」と言われたのが何よりの褒め言葉という。

 

ゴリラに頭をポンポンとたたかれる阿部さん=1995年ごろ、ザイール(現コンゴ民主共和国)、阿部さん提供
ゴリラに頭をポンポンとたたかれる阿部さん=1995年ごろ、ザイール(現コンゴ民主共和国)、阿部さん提供

 ゴリラには日々新しい発見があり、飽きることがない。「生きているゴリラの美しさ、表情の豊かさを体の動く限り描き続けたい」と言う。


 絵画展には100号S(162センチ四方)の油彩の大作や絵本の原画など40点を出品。会期中は会場にいる予定だ。「興味を持ったら上野動物園で生きているゴリラに会って欲しい。優しい視線を送ると、何か通じるものがあると思う」と話している。

 

■生きているトラ、美しい デザイナー・三浦笑里さん

 

 デザイナーの三浦笑里(えみり)さん(27)は、動物をモチーフにしたシルバーアクセサリーを東京都台東区で制作している。いろいろな動物をモチーフにするが、一番好きなのはトラ。ブランド名の「EmiriA」のロゴにもトラを入れている。

 

トラのリング=三浦さん提供
トラのリング=三浦さん提供

「母親によると、物心つく前からトラ好きだったみたい。毛皮よりも生きているトラの方が断然美しい」

 

 埼玉県出身で、短大卒業後に専門学校でシルバーアクセサリー作りを学び、ジュエリー会社に2年勤めた。2014年、若手デザイナーの起業を支援する台東区の施設「デザイナーズビレッジ」に入居し、開業。同所は3年で卒業するのがルールだ。「今年は何とか食べていけるようになった。来年3月に卒業です」と三浦さん。

 

三浦笑里さん=東京都台東区のデザイナーズビレッジ
三浦笑里さん=東京都台東区のデザイナーズビレッジ

 アクセサリーは、細部にこだわる。動物園やサファリパークに行っては、動物の足の裏、しっぽ、ひっくり返って見せるおなかなどの写真を撮影。原型を作って工場に銀の鋳造を発注する。返ってきた銀製品に彩色したり、石をつけたりして完成させている。


「野生動物の保護に関心が出てきた」と話す。絵本作家のかわさきしゅんいちさんと、アートユニット「やまねこのまなこ」を結成。今年7月、生物多様性の重要性を訴える展示を都内で行った。EmiriAのウェブサイトは(http://www.emiria-world.com/)。

 

(有吉由香)