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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2017/03/17

乳児が犠牲に…飼い犬のかみつき防ぐには? 子どもがいる時は目を離さないで!


 飼い犬のゴールデンレトリバーに、生後10カ月の女児がかまれて亡くなるという痛ましい事故があった。家族同様に慣れ親しんだおとなしい犬でも、人をかむことがあるのか。どうすれば防げるのか。


■おとなしいはずが


 今月9日夕、東京都八王子市の住宅街にある民家から、「女の子が犬にかまれた」と119番通報があった。女児を預かっていた祖父母の家で、ゴールデンレトリバー(4歳オス、体重約37キロ)が女児の頭をかんだ。警察によると、祖父母と女児が床で遊んでいたところ、犬が突然かみついた。室内にケージはあったが、普段から放し飼いだった。女児は何度も祖父母宅に来ており、この犬と初めて接したわけではなかったという。


「ほえたりかんだりせず、臆病でおとなしい犬」。生後3カ月から飼っていた祖父母は警察にこう説明した。近所の人も「しっかりしつけられ、トラブルはなかった」と口をそろえる。


 国内で血統証明書を発行する一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」(東京)によると、ゴールデンレトリバーは英国原産。温和な性格とされ、古くは狩りで撃ち落とした鳥類をくわえて運ぶ「鳥猟犬」だった。利口で人と行動することを好むため、警察犬や介助犬、災害救助犬として活躍することが多い。

 

■口元覆う「口輪」も


 ではなぜ、いきなり女児をかんだのか。犬の問題行動やしつけについて出張指導する「Doggy Labo(ドギー・ラボ)」(東京)代表の中西典子さんによると、犬がかみつくのは、怖い時、不快感がある時、何かを制止したい時が主だという。女児は最近、ハイハイを始めたばかりだった。「ゴールデンレトリバーが赤ちゃんをかんだというのはほとんど聞いたことがないが、人が何とも思わない行動でも犬がどう受けとめるのか、わからない。予期せぬこともあると理解し、乳児と一緒のときは目を離さないようにしてほしい」


 東京大学大学院獣医動物行動学研究室の武内ゆかり准教授(動物行動学)は別の理由を示唆する。「赤ん坊のミルクの匂いを食べ物と勘違いした可能性が考えられる。小さな体は獲物と認識しやすく、しつけられていても犬の本能が働くことがある」。小型犬であっても、室内で赤ちゃんと犬のみにするのは危険だと指摘する。


 室内で放し飼いの犬は多いが、小さな子どもがいる場合、武内さんは口元を覆う「バスケットマズル」という犬用の口輪を薦める。口輪には、ほえないよう強く固定するものもあるが、バスケットマズルは籠状で、比較的空間が確保されている。「見た目がかわいそうという飼い主もいますが、犬にストレスはありません。ほえることもでき、慣れれば首輪と同じです」と話す。

 


■小型犬でもリスク

 

 環境省によると、犬のかみつき事故は全国で4373件発生(2015年度)。野犬による被害が減る一方で、飼い犬による事故が95%以上を占める。被害者の状況別では「通行中」が最多で、「配達、訪問などの際」が続くという。同省動物愛護管理室は「どんな種類の大型犬でも小型犬でも、かみつきのリスクはある。『うちの犬は大丈夫』と過信しないでほしい」と呼びかけている。


(国吉美香)

 

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