TOP > 第2回 保護犬・ハンターとの1カ月 落ち着かない日々とある事件

山田美保子の育犬日記

山田美保子・sippo|更新|2015/05/18

第2回 保護犬・ハンターとの1カ月 落ち着かない日々とある事件

ハンターとココ
ハンターとココ

 ミニチュア・ピンシャーのハンター(オス)が「仮譲渡」となるも、そこからの約1カ月は、めげそうになることだらけでした。
 誕生日がわからないから「推定3~5歳」。どんなところで生まれたのかも不明。そんなハンターに、たくさんの愛情を注いであげたい……という思いはあるのです。でもハンターは、家の中をずーっとウロウロして落ち着きません。


 我が家に来る前に1カ月ほど預かってくれていたボランティアの新井由布子さんからは「ご飯のとき、何度も後ずさりする」との報告を受けていました。やはり、それは我が家でも同じ。そうこうしているうちに、食いしん坊のココ(メス)がハンターのご飯の残りを食べてしまう日もありました。


 そして何より、ハンターは我が家にとっては初めての男の子。最初はトイレシートの置き方すらわからず、どうしてあげたらいいのか困惑。案の定、ハンターは柱や壁、洋服ダンスなどを電信柱がわりに(!)、おしっこし放題!!! でも、ここで叱ると、うちが嫌いになってしまうかもしれない……と、黙っておしっこをトイレシートに吸わせ、雑巾で拭きました。


 そうそう。ハンターは「本名」もわからなかったのです。だから、ハンターを保護していた動物愛護団体「the VOICE」代表の有動敦子さんからは「まだ名前を呼んでも来ないので、名前を変えていただいてもかまいません」と言われていました。でも「ハンター」という名前を我が家でも引き継ぎ、私たちは「ハンター」「ハンちゃん」とできるだけ呼び続け、話しかけるようにました。結果、私の声かけには反応してくれるようになりました!


 そのうちに、ご飯の際の後ずさりも激減し、食べるスピードも速くなり、本当に時々でしたが、私の手からトリート(おやつ)を食べてくれるようになったのです。その一方で、一緒にいる時間が少ないからなのか、ハンターは夫には全くなつかず……。そしてある日の晩、ついに事件が!!


 酔って帰宅した夫がハンターを無理やり抱っこしたところ、腕の中で大量のうんちをされてしまったのです。うんちだらけのワイシャツを洗面所で洗濯する私の背後で、「もうダメかもしれないね。返そうか」と音をあげた夫……。
 もちろん、そんな気持ちは1ミリもなかった私は、なんとか夫をなだめすかし、「愛ちゃんに来てもらって、相談しよう」と提案しました。「愛ちゃん」とは、ピンとココがずっとお世話になっていたトレーナーさん。ピンが「虹の橋」へと旅立ったときも、私がいちばん最初に連絡した女性でした。


 相談のメールをすると、すぐ翌日に、愛ちゃんは返信してきてくれました。愛ちゃんは保護犬を長年飼っていた経験があり、「大丈夫。2、3カ月で慣れますよ」と……。「ワイシャツうんち事件」は、ハンターが我が家に来てからちょうど1カ月目のとき。愛ちゃんの言葉通りその翌日から、ハンターは劇的に我が家に慣れるようになったのです。

山田美保子

山田美保子(やまだ・みほこ)

1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。「踊る!さんま御殿!!」「ノンストップ!」などを構成。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。


山田美保子の育犬日記の記事