保護猫に囲まれて とよた真帆の日々(2)

人気者の茶々丸
怖い者知らずのペト

 前回、保護猫は何かしらのトラウマを抱えているというお話をさせていただきました。目をけがした状態で自宅の近所に現れた茶々丸(オス、推定3歳)の場合、今は安心しきっていますが、保護した当初はほかの猫たちがリビングの床で大の字になって寝たりしているのに、必ずどこかに隠れて眠ってました。一度、炊飯台の奥にいたときは驚きました。


 車の下に隠れていた茶々丸を保護した時、他の猫たちが車を四方から囲んで協力してくれて、猫の手は本当に借りられるんだと思いました(笑)。一番の特徴は、犬のように投げたネズミのおもちゃをくわえて持ってきて、また「投げて?」という遊びをすること。本当に頭のいい子です。他の猫たちから人気者として可愛がられていて、もともと気が小さかったのに、最近ちょっと調子に乗っているのか、年長の猫より先にご飯を食べ始めたりしています(笑)。


 逆に年長組から毛嫌いをされているのがぺト(オス、推定4歳)です。ぺトは空気が読めない「KY」な猫なんです(笑)。フィオやうぶうぶを馬鹿にしている感じがあって、時々机の上などから飛びかかろうと狙っています。俊敏で最年長のフィオに、動きが鈍い若輩者がけんかを仕掛けているんですから、フィオは相当「イラッ」としているみたいです。猫の世界の常識を逸脱していて、ちょっと協調性がないんですね(笑)。


 ぺトは、驚いたことに高速道路上で保護しました。舞台稽古に行く途中、前方を走っていた車が急にハンドルを切って車両同士の接触事故を起こしたんです。何だろうと見てみたら、猫がいたんです。虐待を受けたような形跡もあってすぐに保護して病院に連れて行きました。本当にギリギリな状況を経験した猫だったんですが、そんな猫がかえって怖いもの知らずなのは面白いですよね(笑)。

 

猫の要望100%聞く
猫が最優先の生活

 さて、最後はボンボン(オス、推定6歳)。ドラマのロケを見学に来ていた女性から譲り受けた飼い猫が産んだ子です。本当に穏やかな性格で、怒ったところを見たことがなく、人も猫も大好き。いつも「ゴロゴロ」「ニャーニャー」と言っていて他の猫たちから好かれていますね。


 というわけで我が家では、最も多いときで7匹の猫たちと暮らしていました。完全に猫優先の生活で、物を落とされたら、そんなところに物を置いた私が悪い!というような猫天国です(笑)。みんな子猫のころから話し掛けながら育ててきたせいか、言葉をよく理解していて猫たちからもよく話し掛けてきます。「ごはん」や「またたび」、家族の名前などたくさんの言葉を理解しているみたい。「ニャーニャー」とおしゃべりしながらにぎやかな毎日です(笑)。

 

 

(朝日新聞 タブロイド「sippo」No.24(2014年10月発行)掲載)

 

 

◇ とよた真帆 (とよた・まほ)

1967 年東京生まれ。女優として活躍するほか、美術の才能を生かして写真や絵画の個展開催、京友禅の絵師として着物のデザインを手掛けるなど幅広い分野で活動している。現在ベルギーワロン・ブリュッセル観光大使を務める。TOKYO ZEROキャンペーン呼びかけ人。公式ブログはこちら

 

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