犬も高齢化の時代 栄養、医療の改善で

 人間社会と同様、ペットの高齢化が社会問題化しています。

 犬の平均寿命の統計では、全体で13歳から14歳などと言われています。小型犬と大型犬で寿命が違うことは業界ではよく知られており、実際に大型犬の寿命のほうが短いことは事実です。

 では、なぜ寿命が延びたのでしょうか。

 背景には獣医療技術の進歩や食事の改善、そして何より飼い主さんの意識の変化があります。日本ではほんの20年前まで、犬は屋外で飼育され、人間の残り物を与えられることが多かった――という事実をご記憶の方も少なくないでしょう。ところが現在では、圧倒的に室内飼いをされる犬が多く、食事も栄養バランスのいいペットフードが当たり前となっています。

 結果として、愛するペットとより長く暮らせるようになった半面、様々な問題も出てきています。

 人間と同じように、高齢になれば心臓や神経、関節に障害が出るので介護が必要になることがあります。24時間付きっきりの介護が必要なケースも、少なくありません。

 最近ではそんな高齢化に対応するため、介護が必要な犬たちを預かる「老犬ホーム」や在宅看護を手助けしてくれるサービスもあるようです。

 今後このような高齢ペットへのサービスは充実していくことでしょう。でも最も大切なことは、家族の一員として迎える前に、このような問題をふまえて10年後、20年後も命に最後まで責任を持てる環境なのかどうか、十分に考えることだと思います。

佐藤貴紀
1978年生まれ。白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師。日本獣医循環器学会認定医。 獣医師によるペット情報を動画配信中! シュガーペット:https://www.youtube.com/watch?v=4sp_caWbwPM&feature=youtu.be

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