「愛情ホルモン」のオキシトシン 犬と見つめ合うと増加

 人と犬が見つめ合うと「愛情ホルモン」が増加する――。

 少し前になりますが、こんな記事が新聞に出ていましたね。僕の母校でもある麻布大学などの研究チームが、初めて確認したらしいです。

 この記事でいう「愛情ホルモン」とは、オキシトシンのことを指しています。

 人間の母子間では既に明らかになっているオキシトシン効果。もともと、母乳が出るのを促すなどの作用をするホルモンであり、「お互いを信頼したくなる」効果があるともいわれています。臨床の現場では、犬などの分娩時に、陣痛を促すために僕らも使用します。

 人間が触れ合うことで犬のオキシトシン値が上がる。また飼い主は、犬と見つめ合うだけでオキシトシン値が上る。今回の研究では、そんな結果が出ているそうです。このような信頼関係を築ける動物は犬だからこそではないかといわれ、人間と犬との「強い絆」を感じますね。

 オキシトシンは、ほかにも「癒やしホルモン」や「幸せホルモン」などとも呼ばれ、最近では様々な研究が進められてきています。

 犬によってこのホルモンが出る効果があることがわかってきたため、介護施設など様々なところで実際に犬が活躍するようにもなりました。将来的には、高齢の方の病気予防などについても活用できるのではないかと、期待されています。

佐藤貴紀
1978年生まれ。白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師。日本獣医循環器学会認定医。 獣医師によるペット情報を動画配信中! シュガーペット:https://www.youtube.com/watch?v=4sp_caWbwPM&feature=youtu.be

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