雨の釧路湿原 野生動物がすぐ近くにいるうれしさ

展望台から眺めた釧路湿原
展望台から眺めた釧路湿原

 8月下旬に、夏休みを利用して道東旅行に行きました。

 出発は釧路市。台風が近づいていることもあり、あいにくの天気。釧路湿原を眺める「細岡展望台」という展望台を目指したのですが、大雨のため冠水し、展望台への道が通行止めでした。

 ほかの展望台に行っても土砂降りで視界が悪く、歩ける状態ではありません。天気予報をみると、最終日以外はすべて雨マークでしたので、釧路湿原やその後の知床五湖での散策に備え、長靴とレインコートをゲットしたのですが……。というわけで、宿泊先だけは予約していたのでそれ以外はノープランで、天気と相談して決めることにしました。

 さて、そんな土砂降りの中、やはり釧路に来たからには釧路湿原を眺めたい!と思い、車の中でガイドブック片手にほかの展望台を探していたところ、シカが山の中をぴょんぴょんとジャンプして通り過ぎました。あっという間の出来事でしたが、「動物が近くにいる」と思いました。

 散策をとても楽しみにしていたので、少しへこんでいたのですが、土砂降りの中でも力強く生きるシカの姿に感動するとともに、「姿は見えないけれど、近くにはたくさんの動物がいるんだ!」と思うと、とてもうれしくなりました。へこんでいる場合ではありません!!(笑)

 その後、「釧路市湿原展望台」という別の展望台を見つけました。ここは展示室を併設している展望台で、3階の展望室と屋上から、釧路湿原を眺めることができました。

 釧路湿原は日本最大の湿原で、その広さは2万8788ヘクタールもあり、東京ドーム6,125個分です(釧路市湿原展望台パンフレットより)。訪れた日は霧に覆われていましたが、晴れていたら遠くまで広がる湿原を一望できるそうです。

展望台の中にある展示室で見つけた、動物たちの説明パネル
展望台の中にある展示室で見つけた、動物たちの説明パネル

 展示室には湿原のジオラマや湿原の動植物が紹介されています。代表的な動物としてエゾシカ、キタキツネ、オジロワシ、イトウなどがいますが、哺乳類39種、鳥類約200種、爬虫類5種、両生類4種、魚類38種、昆虫類約1100種もの多様な生き物が住んでいます(公式ウェブサイトより)。

 1周約2,5キロメートルの遊歩道もあります。その半分はバリアフリーの遊歩道ですので、車いすでも行くことができます。

 せっかくなので、少しだけ湿原の散策をしました。遊歩道の入り口に「遊歩道周辺でヒグマが目撃されておりますので、散策される方はご注意ください」という看板がありました。この展望台の受付で熊よけの鈴の貸し出しもしています。

「野生動物が近くにいるんだ」と感じるとうれしさはありますが、野生動物のすみかにお邪魔するんだと、気を引き締めました。

 人と動物の関係や、自然との関係においては、訪れる一人ひとりの心掛けが大事なんだと改めて感じました。次回のコラムでは、釧路の後に訪れた世界遺産・知床での動物との出会いについて書きたいと思います。

釧路湿原の散策中に見つけた、ヒグマが出たことの注意喚起
釧路湿原の散策中に見つけた、ヒグマが出たことの注意喚起
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