保護犬がもたらす 温もりある暮らし

保護された犬の数だけ物語がある──。
「保護犬シンデレラ・ストーリーズ」では、 保護犬にまつわる様々なドラマをご紹介する。
今回は、神奈川県横須賀市の特別 養護老人ホーム「さくらの里山科」の施設長、若山三千彦さんに話を伺った。

 

お年寄りたちの団らんに飛び入り参加

いつも一緒の文福(手前)と大喜(奥)。
ともに柴犬系ミックス犬のオスで推定4歳と同じ年齢の保護犬だ。
いつも一緒の文福(手前)と大喜(奥)。 ともに柴犬系ミックス犬のオスで推定4歳と同じ年齢の保護犬だ。

 穏やかな光が差し込む部屋で和むお年寄りたち。空いていた椅子にぴょんと1頭の犬が飛び乗った。「あの子は文福。一番愛嬌があるんですよ」と、若山三千彦施設長。隣に座っていた女性から頭をなでられ、うっとりとした表情を見せている。
「さくらの里山科」は、飼っていたペットと一緒に入居することができる全国でも珍しい老人ホーム。4階建ての2階部分が犬や猫と一緒に暮らせるフロアで、4つあるユニット(10室+リビングキッチンなど共同スペース)のうち2つが犬、2つが猫のユニットになっている。ここでは動物保護団体を介して保護犬や保護猫も積極的に受け入れており、現在暮らす6頭の犬のうち4頭が保護犬、9頭の猫のうち6頭が保護猫だ。

抱っこされる犬も抱っこする方もいい表情。
抱っこされる犬も抱っこする方もいい表情。

「文福」も、千葉の保健所で殺処分寸前のところを救われた保護犬。2年半前に引き取られてきた。

「最初は怯えて大変でしたが、少しずつ入居者様や私たちスタッフにも慣れて、今では辛い過去が信じられないくらい陽気な性格に(笑)。みんなに可愛がられています」
 よく見ると、お年寄りたちの膝の上や足下には、思い思いにくつろぐ犬たちの姿があった。文福の大親友で一緒に行動することの多い「大喜」も保護犬だし、自分で部屋のドアを開ける特技を持つ「あらし」は、てんかんの発作で里親探しが難しく、ここへ引き取られてきた子。

「高齢の犬や持病のある犬など、なかなか里親を見つけられない子たちを優先的に引き取ってきました。そういう子たちをうちが引き取れば、その分救われるいのちが増えますから」

 

 

高齢になっても犬や猫とともに

猫ユニットをのぞくと、出迎えてくれた白猫。
猫ユニットをのぞくと、出迎えてくれた白猫。

 一方、昼間の猫ユニットはとても静か。みんなリビングの一角や入居者さんの部屋など思い思いの場所で寝ている。そんな中、1頭の猫がテーブルの上に乗って、入居者さんの手にじゃれついていた。耳に腫瘍のある保護猫の「とらのすけ」だ。「かわいいでしょ」と、目を細める女性。お年寄りたちの日常に自然ととけ込んでいる姿がそこにはあった。

ご自分も犬を飼っているという若山三千彦施設長
ご自分も犬を飼っているという若山三千彦施設長


「もともとアニマルセラピーを目的として引き取ってきたわけではないんです。年をとっても犬や猫と一緒に暮らしてもらいたかっただけ。なので彼らはそこにいるだけでいいんですよ」

 ただそれだけでも、犬や猫が好きな人にとっては、動物たちと一緒に過ごすことで心身ともに活性化されるのだという。
「猫をなでるために動かなかった手が動くようになったり、犬に話しかけることで笑顔が増えたり、人間にはできないことを彼らがやってくれているんです」
人間と犬・猫との快適な共同生活のためには、こまめな世話や医療ケアは欠かせない。ノミ・マダニの駆除薬『フロントライン』もその一つだという。
「もちろんセーブペットプロジェクトの取り組みは知っています。動物相手の企業やメーカーが、犬や猫の保護活動に乗り出すのはとても素晴らしいことだと思いますし、必要なこと。犬や猫が幸せな社会は人間にとっても幸せなはず。そういう世の中を目指していきたいですよね」

 


 

保護犬を新しい家族に、迎えませんか

譲渡サポートシステム「しっぽネット」の仕組み

NPO法人ワンワンパーティクラブのしっぽネットでは、保護犬の譲渡を行っています。運営費用は、補助助成金、企業協賛金、寄付金で成り立っています。飼い主となる方の費用負担はありません。

保護犬を引き取りたい方はしっぽネット連絡先へ

NPO法人ワンワンパーティクラブ
電話:080-7051-8243(10時~18時)
メール:sippotkow@wanwan.org (朝日新聞『sippo』を見たとお伝えください。)
HP:NPO法人ワンワンパーティクラブ(別窓で開きます)


 

知っていますか?ノミ・マダニ駆除薬「フロントライン®」のSAVE PET PROJECT(セーブペットプロジェクト)

病院でのノミ予防・マダニ対策が保護犬・保護猫たちの幸せにつながります。

 1年で約16万頭。飼い主に捨てられ、殺処分されるイヌやネコの数です。「セーブペットプロジェクト」は、動物病院で処方されるノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」の売り上げの一部を、飼い主のいない動物たちを救うために役立てる動物愛護プロジェクトです。あなたのペットへの愛情が、行き場をなくした動物たちの幸せへとつながります。


 セーブペットプロジェクトでは、NPO法人ワンワンパーティクラブを通じ、これまで400頭もの被災犬の保護活動を支援してきました。現在は、被災ペット以外の保護犬たちの支援活動にも着手しています。セーブペットプロジェクトについてはこちらから

 

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