テレビの音には動じない猫 敏感に反応する小さな音とは?

今では、床で堂々と寝るモモ
今では、床で堂々と寝るモモ

 猫と暮らしていて、猫は音に敏感だと感じますが、そうとも言い切れない時もあって不思議です。

 うちに猫が来て1カ月ほどは、もっぱら猫の寝床はテレビの裏側でした。

 夜になると、テレビの後ろの15センチあまりの隙間にみっちり挟まって寝るのが落ち着くようでした。2匹ともテレビの裏に依存していて、左右に別れて狛犬風に鎮座していたり、どちらかに固まって猫の縦列駐車になっていたり様々でした。

 家に来たばかりの頃だから、猫用ベッドでは落ち着かない気持ちは分かるけど、家の中で隠れられる所は他にもあります。ソファの裏とか、机の下のほうがもう少し静かに過ごせるはずです。なのに、なぜうるさいテレビの裏側なのか、不思議でした。

 夜、テレビをそれなりの音量で見ていても、気にせず裏側に眠りに行くし、私が朝起きてテレビをつけても、全く起きないこともよくありました。

 今では、身体が大きくなってしまったし、どこででも眠るようになったので、テレビの裏側で寝ることはなくなりました。

 でも相変わらず、テレビの音にはほとんど動じません。我が家は人が起きている限りテレビがついていますが、猫はテレビの前でもぐっすり眠っています。

 一方で、テレビから猫や鳥の鳴き声が聞こえてきたときは、ハッとしたようにキョロキョロしています。テレビから出ている音だとも分かっていない様子なので、猫にとってテレビとは、音を発する存在だとは考えていないようです。

 また、テレビから色々な音が聞こえてくる最中でも、台所でカサッとビニール袋が落ちる小さな音がすると、過敏に反応します。耳を澄ませて、異常がないか、台所のほうをしばらくじっと見つめています。カサッっという音より、テレビのほうが断然うるさいのに、きちんと聞き分けているのです。

 音といえば、「ピンポーン!」というチャイム音が最も、我が家の猫にとって“脅威”と“関心”の対象のようです。ビビり猫のモモは物陰に隠れてしまうし、好奇心旺盛な猫あんずは、玄関の方へ見に行きます。

 窓の外から聞こえてくる音にも、反応する音としない音があります。車が走り去る音は気にしないけど、灯油販売や廃品回収の声がすると、窓辺に走っていき、外をのぞき込んでいます。何だと思っているのだろう……。

 音の周波数などの問題なのか、「自分にとって必要な音」を聞き分けているのかは分からないけど、猫が全ての音に敏感というわけではないことは分かりました。

 でも、もしかしたら、テレビのない家庭で飼われていた猫にテレビを見せたら、嫌がるのかもしれませんね……。うちの猫らは、テレビっ子の我が家で、すっかり慣らされてしまったのかもしれません。うるさかったらごめんね。今日もテレビがついた部屋で猫は寝ています。

(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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