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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2015/12/13

空前の柴犬人気 SNSが牽引、「まる」は観光大使に 日本古来の天然記念物

集まったファンに囲まれての撮影会。柴犬まるは動じることなく応じていた=東京都中央区、遠藤雄司撮影
集まったファンに囲まれての撮影会。柴犬まるは動じることなく応じていた=東京都中央区、遠藤雄司撮影

 立ち耳に巻き尾のりりしい柴犬(しばいぬ)が国内外で人気だ。写真共有サービス・インスタグラムのフォロワー数が200万人を超える柴犬「まる」は、多くの芸能人をおしのけ国内5位。その発信力への期待から三重県の観光大使に。なぜ、柴犬に魅了されるのか。(末尾にまるの写真特集)

 

発信力に期待、観光大使就任

 11月17日夕方、東京・日本橋の三重県のアンテナショップに、「かわいいー!」と歓声が上がった。鈴木英敬知事から、まると飼い主の小野慎二郎さん(42)に県の観光大使の委嘱状が手渡された。県の担当者は「県と直接関係はないが、国内外に発信力のある『まる』に三重をPRしてもらおうと依頼した」。

 会場にはファン約40人が集まり、まるがあくびしたり寝転んだりする度にシャッター音が響いた。ファンの一人、吉井美樹さん(36)は「表情が豊かで人間っぽいところが魅力。ブログもパパさん(小野さん)が書いていると分かっていても、本当にしゃべっているみたいで癒やされる」

 実は、柴犬は国の天然記念物で、日本古来の種だ。日本犬保存会や文化庁によると、柴犬をはじめ日本犬は、明治時代に持ち込まれた西洋犬との交雑が進み急激に減少。1928年には保存会が発足し、日本犬の「標準」を小型・中型・大型の3種に分けた。その小型が柴犬で、36年に天然記念物に指定された。天然記念物といっても、人間と暮らしてきた歴史をもつ犬は、飼うことが認められているという。

 柴犬に前後して大型の秋田犬、中型の北海道犬、紀州犬、甲斐犬、土佐犬(四国犬)などが天然記念物に指定されているが、小型の飼いやすさから、現在は保存会が登録する日本犬の約9割は柴犬が占める。


フォロワーの9割が外国人

 柴犬は「SHIBA INU」として、海外でも人気を集める。まるのインスタグラムのフォロワーの9割は外国人だ。米国が最も多くて25%、タイ15%、中国・台湾12%と続く。米国で犬籍登録をする「アメリカンケネルクラブ」の人気犬種ランキングでも柴犬は、2009年の65位から14年は46位に上昇。12年にイギリスで開かれた世界最大級のドッグショーでも、ロンドン生まれの柴犬が初めて優勝した。

 犬の専門誌「Wan」の川田央恵(ひさえ)編集長(39)は「柴犬は、欧米では見た目の珍しさから人気がある」と話す。独立心が強く、飼い主に忠実な一方で、他人には、なつきにくいが、「今風に言えば『ツンデレ』的な魅力を感じる人もいるようだ」と分析する。


テレビCMが変化の契機に

 柴犬人気について、動物と人間の関わりに詳しい新島典子・ヤマザキ学園大准教授は、北海道犬が言葉をしゃべるソフトバンクのテレビCMが変化のきっかけだったとし、「日本犬がキャラクター化され、カワイイの対象になり、日本犬全体の人気が上がった。日本犬で唯一小型の柴犬が最も飼いやすかったのでは」とみる。

 まるの飼い主の小野さんは「柴犬人気は、SNSを通じて柴犬が目立っているというのが本当のところだと思う」と笑う。「夜は眠そうなまるの姿、朝はすっきりした顔のまるの写真を投稿する。良い写真よりも、共感を得られる写真が人気の秘訣(ひけつ)です」(遠藤雄司)


(朝日新聞2015年12月9日掲載)

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柴犬まる=三重県提供
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出典:朝日新聞デジタル
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