世界で唯一?「黒猫カフェ」 真っ黒い保護猫8匹がお出迎え

8匹並んで無防備に食べる姿は、えもいわれぬかわいさ=兵庫・姫路の黒猫カフェ「cat cafe ねこびやか-黒猫cm-」
8匹並んで無防備に食べる姿は、えもいわれぬかわいさ=兵庫・姫路の黒猫カフェ「cat cafe ねこびやか-黒猫cm-」

 黒猫しかいない珍しい猫カフェが、兵庫県姫路市にある。しかも店にいる黒猫8頭はいずれも保護猫。猫を殺処分から救う活動をしている女性店長が、「黒猫と、黒猫を愛する人の架け橋になろう」と2年前の暮れに改装開店した。日本初?いや世界で唯一?の黒猫カフェは、関西の猫好きたちの間で人気を博している。

 (末尾に写真特集があります)

 

 店は「cat cafe ねこびやか-黒猫cm-」。日本で初めて世界文化遺産に登録された姫路城のおひざ元にある。

 

 店にいる8匹のうち7匹は、市動物管理センターから引き取られた猫。もう1匹は交通事故に遭って警察に保護され、動物病院で治療を受けた後に里親募集されていた。いずれもシルエットはそっくりだが、違う色のスカーフを首に巻いているので、簡単に見分けられる。それぞれ、「おれん侍(じ)」や「むら咲(さき)」など、スカーフと同じ色にまつわる名前がある。

 

 黒猫の魅力は「姿形が際立っていて存在感があるところ。みんな黒なので柄の印象に左右されず、性格が分かりやすい」と、店主の八木絢子さん(37)。確かに、人懐っこいコや強気なおてんばギャル、姫路生まれの軍師のように落ち着いた(おっとりとも言う)その名も「黒田官兵衛」くんなど、個性派ぞろいだ。


 実はこの店、2011年の開業時は、茶トラやキジトラの猫がいる普通の猫カフェだった。黒猫は一匹もおらず、客から「黒猫おれへんの?」と言われることもあったという。他方、八木さんは、市動物管理センターで処分される猫たちを救うため、個人的に里親を見つける活動をしていた。ある日、処分予定の黒猫4兄弟と出会ったのをきっかけに、猫カフェを黒猫だけにすることを決意。2013年9月に改装オープンした。きっかけとなった4兄弟はすでに引退し、いま店にいる黒猫たちの里親は募集していないが、八木さんは、ほかの保護猫に里親を見つける活動は続けている。

 

 訪れる人々の平均滞在時間は2時間ほど。窓辺のソファで漫画を読んだり、お茶をしたり、時には居眠りしたりと、黒猫のいる空間自体を楽しむ人が多い。思い思いの時間を過ごしていると、猫のほうから体をくっつけにやって来てくれる。そんなつかずはなれずの距離感がたまらなく愛しい。

 

 猫は夜行性のため、昼間は寝ていることもしばしば。活発な姿を見たければ19時~20時(火曜と日曜を除く)がオススメ。20時の夜ご飯タイムには、8匹が行儀良く一列に並んで食事する姿が見られる。無防備なシッポが八つ並ぶ後ろ姿に、思わず目を細めてしまうこと請け合いだ。

 

■cat cafe ねこびやか-黒猫cm-
 所在地/兵庫県姫路市駅前町322 ミフネビル2F
 電話番号/090-6757-2810
 営業時間/12:00~21:00(日曜は~19:00、※最終入店は閉店1時間前)
 定休日/火曜
 システム/60分1,000円、以降30分ごとに+500円、ソフトドリンク400円~。

(福山嵩朗)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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