災害救助犬「夢之丞」、熊本地震で不明者捜索、発見はできず

捜索に向かう災害救助犬「夢之丞」とPWJスタッフら=熊本県益城町、PWJ提供
捜索に向かう災害救助犬「夢之丞」とPWJスタッフら=熊本県益城町、PWJ提供

 一刻も早く現地へ――。最大震度7の地震に襲われた熊本県の被災地で15日、広島県警や同県内のNPO、消防などが支援にあたった。まずは不明者の捜索などを進めたが、現地では余震が続き、ライフラインも寸断している。被災者の生活を支えようと、義援金を募る動きも始まった。

 

 災害救援活動などのNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(本部・神石高原町、PWJ)の救援チーム12人と災害救助犬2頭は15日朝、震度7が観測された熊本県益城町に順次入り、救援活動をした。
 

 PWJによると、大西健丞(けんすけ)・代表理事を責任者に、レスキュー隊員や災害救助犬のハンドラーらの救援チームは、14日深夜から15日未明にかけて車5台に分乗して出発。現地の対策本部の指示を受けて、午前10時過ぎから、死者が出ている益城町惣領、安永などの地区で、災害救助犬を使い、不明者がいないか捜索した。

 

壊れた民家の周辺を捜索する災害救助犬とスタッフら=熊本県益城町、PWJ提供
壊れた民家の周辺を捜索する災害救助犬とスタッフら=熊本県益城町、PWJ提供

 PWJの本部には、現地に到着したスタッフから、屋根が落ちた建物や階段が崩れた様子の写真が届いた。

 

 古い木造民家が集中する地区で建物の倒壊被害が多く、「倒れた木造住宅の隙間から人が救助されたと聞いた」「アスファルトの道路に亀裂ができている」「水道管が損傷したのか、水があふれている道路がある」といった報告が寄せられた。

 

 同行した災害救助犬は、2014年夏の広島土砂災害の際に出動し、不明者2人を発見した元捨て犬の「夢之丞(ゆめのすけ)」など2頭。本部に待機している広報担当の大成絢子(おおなるあやこ)さんによると、現地で不明者がいないか捜索を続けたが、不明者発見はなく、午後4時半ごろに捜索を終了した。今後は被災者の支援活動などを検討しているという。

 

(竹久岐史)

 

壊れた民家の周辺を捜索する災害救助犬「夢之丞」(右側の犬)とスタッフ=熊本県益城町、PWJ提供
壊れた民家の周辺を捜索する災害救助犬「夢之丞」(右側の犬)とスタッフ=熊本県益城町、PWJ提供
朝日新聞
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