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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2017/02/11

保護猫の命、救うカフェ 160匹の引き取り手、見つける

「ねこのいえ」で猫と遊ぶ客=三重県玉城町
「ねこのいえ」で猫と遊ぶ客=三重県玉城町

 保護された捨て猫や野良猫とふれあえる猫カフェが三重県玉城町にある。本来の目的は新しい飼い主への橋渡し。オーナーの山口幸範さん(44)は「ペットショップへ行く前に、殺処分されてしまう猫の存在に目を向けてほしい」と話す。


 北欧産の木材を使ったログハウスの店内で、黒や三毛など様々な色や柄の猫30匹がくつろいでいる。客は飲み物を飲みながらすり寄る猫をなでたり、猫じゃらしで気を引いたり。3歳の孫娘と共に訪れた伊勢市の女性(66)は「リラックスする猫の姿を見ているだけで癒やされる」。


 2014年5月にオープンした猫カフェ「ねこのいえ」は、殺処分の恐れがある猫を保護団体などから引き取り、世話をしながら飼い主を探している。


 山口さんは自身も自宅で9匹を飼うほどの猫好き。数年前から捨て猫を見つけては保護し、SNSで飼い主を探していた。すると、様々な人から捨て猫の情報や猫に関する悩みが寄せられるように。「それならいっそのこと、保護や里親探しの施設を作ろう」と、本業のログハウス建設会社のショールームを改築し、猫カフェを始めた。


 カフェは、いわば猫たちが一時的に身を寄せる「シェルター」。これまで約160匹を新たな飼い主のもとへ送り出した。


 カフェは「責任を持って飼ってくれる人に引き取ってもらいたい」と、厳しい条件を設けている。


 カフェで気に入った猫を見つけた人が、引き取りたいと申し出るパターンがほとんど。そういった希望者を店員が面接し、ペット禁止のマンションに住んでいないか、家族の協力が得られるかなどを確認する。一人暮らしの学生や高齢の夫婦など、猫の生涯に責任を持てる保証がない人は断る場合もある。


 松阪市の女性(53)も昨年、「殺処分される猫が一匹でも減るのなら」と、引き取った一人だ。元々はペットショップで買ったペルシャ猫を飼っていたが、「商品」としての猫がたくさん繁殖させられる陰で、年間に何万匹も殺処分されている現状をあらためて知ったのがきっかけだった。


 ことし1月中旬には、カフェの一番の古株だったメスの親子サクラ(推定5歳)とカエデ(推定2歳)が津市の家族に引き取られた。2匹は2年ほど前、山口さんの知り合いの材木屋の屋根裏にすみ着いていたところを保護されていた。


 山口さんは、猫を飼おうと思っている人がカフェで殺処分の現状を知り、「命はお金で買うものじゃない」と考え直してくれるのが何よりうれしいという。保護猫を飼う人が増え、「殺処分がゼロになれば」と願っている。


(国方萌乃)


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