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岩合さんが出会った自由気ままな“世界中の猫たち” フォトエッセー集「世界のねこみち」

「世界のねこみち」から
「世界のねこみち」から

 イタリア、スペイン、イギリス、フランス、トルコ、キューバ、中国・・・・動物写真家の岩合光昭さんによる世界中の猫たちのフォトエッセー集「世界のねこみち」(朝日新聞出版)が4月、発売された。本書は週刊朝日の人気連載、「猫の細道」の書籍化第2弾。“さらに気まま”に闊歩する猫様の姿が満載され、撮影の様子の密着ルポも掲載されている。

 

(末尾に写真特集があります)

 

「世界のねこみち」表紙
「世界のねこみち」表紙

 野生動物のように遠い存在ではない。人の住む場所には、必ず猫がいる。お花畑の中でかくれんぼ中の猫は、近くのガソリンスタンドで可愛がられている。猫はなぜこうも愛されるのか。ページをめくるたびに現れる異国の地の猫が、そのわけを教えてくれる――。


 たとえば、水の都、イタリアのヴェネツィアのキオスクの新聞の上から外を眺める1匹のキジトラ猫。同じキジ模様の猫を現地で多く見かけた岩合さんが、そのわけを街の人に聞くと、中世にペストが大流行したとき、ネズミを退治するためシリアからキジトラ猫が多く連れてこられた。その末裔が「今もシリア―ノ」と呼ばれて大切にされているそうだ。


  トルコの最大の湖、ヴァン湖。この地に源流を持つというヴァン猫(ターキッシュヴァン)は、真っ白なビロードのような毛を持つ希少種で、水の中で遊ぶことができる。猫といえば一般的には水嫌いで知られるが、優雅に“泳ぐ”珍しい猫スイマーの表情を、岩合さんは撮影した。


 どこでも、なぜこんなに自然な猫の姿が撮れるのか。


 本書には、スペシャル版として、京都での撮影に「1日密着」した様子も掲載されているが、そこに、あるヒントが隠されていたようだ。


 撮影の起床は冬場の午前4時。機材(オリンパスOM-DE-M1のボディ2台に望遠、広角レンズ)を携え、気温2度の神社に向かう。岩合さんは軒下にいる猫に「おはよう」と声をかけたり、「みんなどこ行ったの?」と語りかけながら背中をなでたり。


 撮影の合間に岩合さんはいう。


「猫は、言葉じゃなくて音で理解するので、安心させてあげるために、優しく声をかけるんです」


 猫と“目を合わせる”ために姿勢を低くしたり、地面に這いつくばったり。また、猫が不意に姿を消しても、岩合さんは無理には追いかけずにひたすら待つ。


「猫って、どこかから現れたときには、おもしろいことをすることが多いので、待っていないとダメなんです。7時間待ったこともあるけれど、待った気にならない」


 この撮影に立ち会った週刊朝日編集部の担当者は、こんな現場を目にしたという。


「撮影中、あるオス猫の目のふちにゴミがついているのに岩合さんが気づき、『やっぱりハンサムに撮ってあげないと』とおっしゃりながら、ゴミをそっととってあげていました」


 本書のあとがきで、岩合さんは“最近、ネコに悟りを開かせてもらえたように感じる”と記している。ネコにとっての絶景とは? ヒトにとっての絶景とは? 深い言葉を読んでからもう一度ページをめくりかえせば、新たな風景がきっと広がるはずだ。


(藤村かおり)

 

「世界のねこみち」 発行2017年4月30日

著者 岩合光昭 発行 朝日新聞出版 本体価格 1400円+税

 

◆岩合光昭さんのトーク&サイン会のお知らせ
5月17日(水)19:00~、八重洲ブックセンター本店(東京都中央区八重洲2-5-1)
トーク+サイン会先着100名(101名以降はサイン会のみ、 160名にて締め切り)
八重洲ブックセンター本店で『世界のねこみち』をご購入いただいた方に、先着で1階カウンターにて参加券をお渡しします(入場は参加券1枚につき1人)。
電話による予約申し込みも可。詳細は問い合わせ。☎03-3281-8201

岩合光昭(いわごう・みつあき)さん 1950年、東京生まれ。動物写真家。米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙を日本人で唯一2度にわたって飾るなど、全世界で高い評価を得ている。80年「海からの手紙」で木村伊兵衛写真賞、85年には、日本写真協会年度賞、講談社出版文化賞を受賞。一方で、ライフワークとして猫を40年以上撮りつづけ、2012年からはNHK BSプレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」を開始。猫に関する著書・写真集も多数ある。
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出典:sippo
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