人が入っても快適な木製「犬小屋」、オーダーメードで製作

組み立て作業中の犬小屋のそばに立つ川村幸雄さん=高知県土佐町地蔵寺
組み立て作業中の犬小屋のそばに立つ川村幸雄さん=高知県土佐町地蔵寺

 事務所は犬小屋の中だ。広さ6畳ほどの木造の平屋で、パソコンや電話もある。高知県土佐町田井にある犬小屋製作工房Kの社長、川村幸雄さん(61)の仕事場だ。


「もちろん耐震設計。都会では、こんなものまでほしいと言ってくれる人もおるがやき」


 嶺北産のスギでつくる犬小屋をインターネットで販売している。価格は3万~30万円ほど。天窓やテラスを設置したり、防音仕様も用意したり。


「人が入っても快適な犬小屋」を提唱する。犬小屋を自らの事務所にして、その言葉を証明している。

 

「事務所にしちゅうけんど、これも犬小屋やけん」。自社製品を紹介する川村幸雄さん=高知県土佐町田井
「事務所にしちゅうけんど、これも犬小屋やけん」。自社製品を紹介する川村幸雄さん=高知県土佐町田井

 川村さんは20代で地元を離れ、大阪や香川、兵庫などで建築設計や施工監理に携わってきた。2003年に農家を継ぐため、Uターン。野菜を作る一方、地元の木材で何かできないかと考えていた。


 05年、地元の友人との何げない会話の中で、「来年はいぬ年じゃねえ」の言葉にピンときた。「県産材で犬小屋を作ろう」と思い立った。その年の末、「工房K」を設立した。


 依頼主とメールなどでやり取りし、オーダーメイドに近い形で設計する。主に嶺北地域の職人十数人が、土佐町と本山町の4カ所にある工房で製作する。注文があればネコやウサギ、カメ、ニワトリなどの小屋も作る。


 当初、月数百件程度だったホームページへのアクセスは、数万件にまで増えた。年間5件ほどだった注文も、今は年間300件を超える。


 川村さんの名刺にはこんな言葉が書かれている。「木製犬小屋は、俺に任せろ」


(堀内要明)

朝日新聞
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