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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2017/08/10

かつては漫画家志望、先輩にあこがれて警察犬ハウル号の訓練中 山梨県警鑑識課の内藤弘崇さん(40)

内藤弘崇さんと、担当する警察犬ハウル号=笛吹市石和町窪中島
内藤弘崇さんと、担当する警察犬ハウル号=笛吹市石和町窪中島

 ■似顔絵と警察犬の指導、二刀流

 山梨県警職員約2千人の中でただひとり、捜査用似顔絵の作成と警察犬の指導の両方を専任する。「子どもの頃から絵を描くことが好きで、それが警察の治安維持活動に役立てられるのがうれしい」


 甲府市出身。21歳で県内の大学を休学して作った漫画が集英社の手塚賞の準入選に。「週刊少年ジャンプ」の掲載権を得てネーム(下書き)を描いたが、担当編集者のハードルが高く漫画家の道を断念した。


 障害者施設で介護の仕事をしていた時に転機が訪れる。偶然インターネットで見た新聞記事に、県警の似顔絵がきっかけで傷害事件の容疑者が逮捕されたと書いてあった。その似顔絵を作成したのは当時鑑識課に在籍し、後に師匠と仰ぐことになる風間繁樹さんだった。


「警察にも絵を役立てられる仕事があるんだ」。父親も警察官だった。幼い頃に過ごした駐在所は扉一つを隔てて事務室があり、制服姿の警察官は身近な存在だった。試験を受けて2003年に採用された。


 警察学校卒業後、石和署(現笛吹署)を経て甲府署に配属され、傷害致死事件の容疑者の似顔絵を作成。逮捕につながり、本部長賞を受けた。「初めての成果でうれしかった。似顔絵を活用してくれた捜査員がいて初めて効果が表れる。周りの捜査員にも感謝した」と話す。


 うまく描こうという欲を出さないように心がけている。似顔絵は「目撃者や被害者の方との共同作業で作るもの」。絵を見せながら練り消しで何度も修正するので、厚みのあるケント紙を使う。「先入観を持たないで無心になってその声に耳を傾けることが大事だ」

 

内藤さんが描いた自画像のデッサン
内藤さんが描いた自画像のデッサン


 捜査だけではない。身元不明の遺体の生前の姿を想像して描き、全国手配によって特定につながったこともある。
現在の鑑識課に配属され、犯罪捜査や行方不明者の捜索にあたる警察犬の担当も願い出た。憧れの風間さんが似顔絵と警察犬の二刀流を駆使していたからだ。


 とはいえ犬の飼育経験もなく、当初は苦労した。訓練中、指示通りに動く同僚の担当犬を横目に焦りが募った。「担当になったからといって犬がすぐ命令に従ってくれるわけじゃない。まず犬に自分を好きになってもらわないと」
現在は1歳のハウル号の能力を最大限に発揮してもらうため、訓練に励んでいる。「健康管理を第一に。よく世話をして一緒にいる時間をなるべくとってあげたいですね」


(平畑玄洋)

 

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