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朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|2017/09/08

パートナーはシェパード「マリー」号! 大型犬の飼育経験生かし 一度はあきらめた警察犬の指導手に

佐藤仁美さんとマリー号。マリー号はボール遊びで体を動かすのが大好きだ=秋田市新屋勝平台
佐藤仁美さんとマリー号。マリー号はボール遊びで体を動かすのが大好きだ=秋田市新屋勝平台

 ■訓練、厳しく温かく 佐藤仁美さん

 今春から犯罪捜査や行方不明者の捜索にあたる直轄警察犬(直轄犬)を導入した秋田県警で、初の警察犬指導手になった。パートナーは、シェパードの「マリー号」(2歳、メス)。


 足跡のにおいを追ったり、行方不明者の捜索を想定し隠れた人を捜したり。どんな訓練も意欲的に取り組むマリーを、厳しく、そして温かく指導する。訓練後には、ボールで思いきり遊ばせる。うれしそうな姿を見ると、顔がほころぶ。

 

佐藤仁美さん。マリー号とは固い絆で結ばれている=秋田市新屋勝平台
佐藤仁美さん。マリー号とは固い絆で結ばれている=秋田市新屋勝平台

 県警はこれまで、事件発生時などには民間の嘱託警察犬(嘱託犬)に出動を要請してきた。県内には嘱託犬が17頭いる。だが、容疑者が銃刀類を持つなど危険が伴う事件では、出動の要請が難しい。そこで直轄犬の導入が決まった。


 大の犬好きで、実家では小学生の時から犬を飼っている。警察官になってからは「警察犬を育てたい」と思い、飼っていたラブラドルレトリバーを5年ほど訓練した。でも、警察官として決められた仕事に対応しなければならず、嘱託犬の指導手になることを一度は諦めた。


 だが、県警が直轄犬の導入を検討した時、大型犬を飼育していた経験を買われた。警察犬を扱う鑑識課での勤務経験はなかったが、昨年4月から警視庁に出向し、指導手の勉強をすることになった。


 マリーとは翌月に出会い、秋から訓練が始まった。明るくて人なつこい性格のマリーは、かわいい。でも、「警察犬は仕事をするパートナー。『かわいい』という気持ちだけでは務まらない」


 最初は、厳しく叱れずに注意されることもあった。寂しがって鳴いても、無視しなくてはならず、心が痛んだ。「訓練は9割厳しいけれど、残りの1割はほめる。その1割に、100%の愛情を込めています」。今年4月、秋田に来たばかりで体調を崩したマリーを、3週間ほど泊まり込みで世話した。


 秋田ではこれまでに、行方不明者の捜索や犯罪捜査で、1日現在、15回出動。7月下旬には、深夜に行方不明者の捜索に急行し、無事に発見した。


「現場に行くと、プロの目になってきた」と感じている。「犬が鼻をあげたら(追跡できなくなったら)、次は人の番」。マリーの頑張りをいかせる捜査感覚を身につけようと、自身も勉強中だ。


「マリーと一緒に数多くの現場に出動して、犯罪捜査や行方不明者の発見に貢献したい」

 

<さとう・ひとみ> 1976年、秋田県由利本荘市生まれ。小学1年から剣道場に通い、日体大を卒業後、小学校講師などを経て、2002年に県警に採用された。休日は、実家の犬とふれあってリフレッシュする。

(石川春菜)


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