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sippo・sippo|更新|2017/10/06

旬の食材を上手にとって、ペットも飼い主も健康に 犬・猫の中医学

元気になったケンタとミーコ
元気になったケンタとミーコ

 夏に具合が悪くなった犬のケンタと猫のミーコは、中医学を取り入れている獣医師を訪ね、オーダーメイドの漢方サプリやツボ押しや食事の見直しで体調を持ち直した。養生の中でもとくに食養生に興味がわき、中医学の老舗であるイスクラ産業で、すぐに始められる秋の食養生について聞いてみた。


「ペットも人と一緒で、春は血や気のめぐりが悪くなり、夏は熱と湿気の影響を受けやすく、冬は身体が冷える……1年の中で過ごしやすく感じる秋も、実は身体にいろいろ負担がかかっているんですよ」


 そう話すのは、イスクラ産業ペット事業部広報の木村泰之さんだ。


 中医学では、四季それぞれをさらに6つに分けて“24節気(せっき)”として捉えるという。秋は、『立秋』、『処暑(しょしょ)』、『白露(はくろ)』、『秋分』、『寒露(かんろ)』、『霜降(そうこう)』の6つに分かれ、『秋分』を境に暑い日が減り、冷気を感じる日が急に増え、外気の刺激を受けやすくなる。その刺激がペットのストレスにもなり、不調を招きやすいのだ。


「病気の要因となるものを中医学では邪(気)と呼びますが、夏から秋にかけては、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)などの影響を受けます。簡単にいえば、暑く湿気を帯びていた季節から、急に温度や湿度が下がり、寒暖差でバテて食欲不振になりやすくなる。また空気が乾燥することによって、皮膚疾患やアレルギー疾患が表れやすく、呼吸器の問題なども起こりやすくなります」(木村さん)


 そんな体調変化の助けになるのが、他の時期よりも新鮮で美味しく食べられる“旬”の食材。表にあるのは一部の食べ物だが、簡単に説明したい。

 

季節24 節気六淫の邪気注意したい症状お勧め食材(野菜類)
立秋
処暑
暑邪 夏ばて
胃腸機能の低下
冬瓜、ズッキーニ
レタス
桃、ナシ
白露
秋分
暑邪
燥邪
呼吸器疾患
皮膚の乾燥
抜け毛
カボチャ、ニンジン
キノコ類(シイタケ、エリンギなど)
寒露
霜降
燥邪 口や鼻の乾燥
便秘
カブ
リンゴ
ナシ

 

 日差しが強く夏の疲れが残る初秋には、「冬瓜」や「ズッキーニ」や「レタス」がおすすめだ。これらの食材は、体にこもった余分な熱や、溜まった水分の滞りを排出し、潤いを補う力がある。「レタス」は不要な水分を出すほか、尿を出しやすくする利尿作用もある。果実の「桃」は、潤いを補うほか、便通を良くしたり、血めぐりもよくしてくれる。


 秋が進み涼しくなると胃の働きが鈍くなるが、「カボチャ」や、「ニンジン」などの野菜を採ることで、胃腸の吸収力が高まる。「ニンジン」には飲食物の停滞を解消する効能もある。また「シイタケ」や「エリンギ」などキノコ類は、身体に必要な潤いを与えてくれる。


「中医学では、肺は外気に触れる皮膚の一部と考えるのですが、10月はこの肺のトラブルに注意すべき時期。外気の乾燥が体内の潤い不足と重なると、便秘がちにもなるので、乾燥傾向のペットには“食べ物で水分を補給する”ということが大事。また、秋は“気分が落ち込みやすくなる”と言われます。体を温め潤わせることで、そうしたトラブルを遠ざけることができます」(木村さん)


 衣替えの季節でもある10月。体を温めて胃腸を元気にする食材には、「カブ」や「栗」がある。また潤いを補って呼吸機能を回復する「リンゴ」や、乾燥を防ぐ「ナシ」も元気のもとになる。

 

10月の手作りごはん
10月の手作りごはん

 ペットに旬の食材を与える時には、食事内容をすべて変えるのではなく、写真のように小さく刻むなどして普段のフードにトッピングすると食べやすい。果実は生でもよいが、野菜類は、煮たり茹でたり、電子レンジで加熱することで、体を冷やしにくくする。中医学では、五臓の脾(胃腸)は冷やすと消化吸収能力が落ちると考えられているからだ。


 これからの季節はとくに、乾燥と寒さに対応する食材選びや食べ方が重要になる。


「自然のリズムにあわせて栽培した露地物は、栄養価が高いといわれます。行楽シーズンで外出する機会があれば、地方の特産物売り場で、季節のおいしい野菜や果実をペットのお土産にしても良い」


 ペットと楽しい時間を過ごすには、飼い主自身が健康であることも大事。偏った食生活をしている場合は、ペットと一緒に食養生をためしてみては。


(藤村かおり)


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