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さよなら、「わさお」のお母さん 菊谷節子さんが死去

わさお(左)がJR鰺ケ沢駅の観光駅長に就任し、委嘱状交付式に出席した菊谷節子さん=2017年4月1日、青森県鰺ケ沢町
わさお(左)がJR鰺ケ沢駅の観光駅長に就任し、委嘱状交付式に出席した菊谷節子さん=2017年4月1日、青森県鰺ケ沢町

 「ブサかわ犬」(不細工でかわいい犬)として人気の秋田犬「わさお」の飼い主として知られる菊谷節子(きくやせつこ)さんが11月30日、亡くなった。73歳だった。青森県鰺ケ沢町の海辺にある店には1日、ファンが訪れ、「わさおのお母さん」との別れを惜しんでいた。


 菊谷さんは間質性肺炎のため、11月30日未明、弘前市内の病院で死去した。通夜にあたる前夜祭は8日午後6時、葬儀にあたる告別祭は9日午前11時、鰺ケ沢町本町209の2の鰺ケ沢町山村開発センターで開かれる。喪主は長男の忠光さんが務める。


 鰺ケ沢町でイカ焼き店を経営していた菊谷さんは2007年秋、近くの商業施設「海の駅わんど」の駐車場でうろついていたわさおを拾った。イカ焼き店の看板犬となったわさおは、08年にブログやテレビで紹介され、全国の人気者になった。10年に町特別観光大使となり、11年には主演映画が公開され、日本ユネスコ協会連盟の世界遺産活動特別大使「犬」(ワンバサダー)も務めた。


 菊谷さんは店を訪れるファンに料理を振る舞ったり、一緒に写真を撮ったりして、「わさおのお母さん」として知られた。13年春ごろに体調を崩して一時入院した際は、わさおは寂しさによるストレスで、夏毛が生えずにほっそりとした時期もあった。菊谷さんが退院するとすぐに毛が生え、菊谷さんとわさおの絆を印象づけた。

 

 

■普段ほえないのに…そわそわ イカ焼き店に弔問・気遣う客も

 鰺ケ沢町南浮田町の海岸沿いにある菊谷さんのイカ焼き店は、1日も通常通り午前8時に開店した。菊谷さんは今年に入って入退院を繰り返していたが、「私に何かあっても、店は休むな」と言い残していたという。店のそばの犬小屋にいたわさおは、店の前の道路をじっと見つめ、車や人が近づくと何度もほえていた。店の従業員は「普段はあまりほえないのに。そわそわしているようだ」と話した。


 店には、弔問に訪れたり、わさおの様子を見に来たりする客もいた。仙台市から仕事で訪れていた会社員男性(52)は、これまでも出張のたびにわさおのもとを訪れ、菊谷さんとも面識があったという。「菊谷さんとわさおは、飼い主と犬を超えた関係に見えた。まだ若いのに残念」と話した。弘前市の棟方あき子さん(68)は、弘前市内の病院でよく菊谷さんと会っていたという。「『わさおのお母さん』と声をかけると、ニコニコ話してくれた」と振り返った。


 わさおは今後も店に立ち続ける予定で、菊谷さんの家族や店の従業員が世話をしていくという。


(山本知佳)


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