「猫の手も借りたい!」そんな日には猫の手マドレーヌ?

猫の手マドレーヌを持つ松本佳子さん
猫の手マドレーヌを持つ松本佳子さん

 師走に入り「猫の手も借りたい」忙しさではないですか。人気の「猫の手」が忙しさを和らげてくれるかも――。


 赤、緑、茶色……色とりどりの「肉球」の付いた猫の手がカゴに盛られている。山形県上山市十日町の菓子店「十五屋本店」の看板商品「猫の手マドレーヌ」(税込み160円)だ。


 店を営む家族がそろって猫好きなことから、新商品に猫のモチーフ案が挙がったという。「にゃんにゃんにゃん」の語呂合わせの2月22日の「猫の日」に合わせ、2015年に商品化した。見た目のかわいさが評判になり、月2千個売れることもある人気商品に。「それまでは近所のお客さんが多かったが、口コミで遠くから買いに来てくれる人が増えた」と松本佳子(けいこ)代表(60)。県外からの問い合わせもあるという。


 今では猫のしっぽをイメージしたフィナンシェや猫の形のサブレなど姉妹商品も広がっている。「自分たちで袋詰めまでしているので、忙しくなると猫の手も借りたいくらい」と笑う。

 

 

■中華風の「肉球パン」も

 肉球の部分に、ひき肉やタマネギをベースにした中華まん風の具が詰まった「肉球パン」(税込み180円)をつくったのは、山形市薬師町のパン屋「モアーリッチ」。猫好きの漆山孝社長(68)が「顔のかたちのパンはよくあるが、手でもおもしろいのでは」と11年に考案した。入れ替わりが激しい調理パンの中で定番商品になっている。

 

「モアーリッチ」の肉球パン
「モアーリッチ」の肉球パン

 具を詰めた5~6センチの生地に、直径1センチほどの指を四つ、手作業で付けてから焼くため、ほかのパンより手間がかかる。1日に15個ほどしか作らないといい、お客さんから「あった」と声が上がることも。漆山さんの長男でパン職人の満(みちる)さん(39)は「お客さんが求めてくれるので続けていきたい」と話している。

 

 

■のんびり姿、語源か

「猫の手も借りたい」の歴史は古い。ことわざ研究者の時田昌瑞・日本ことわざ文化学会長は「語源ははっきりしないが、少なくとも(江戸時代の)近松の浄瑠璃までさかのぼれる」。古くは「犬の手も人の手にしたい」とも言ったが、大正時代ごろに消えたという。


 ことわざに出てくる動物は、身近な生き物がほとんど。「忙しい時期に、そばでのんびり眠っている猫を見た人の気持ちが、ことわざになったのでしょう」と時田さんは分析している。


(青山絵美)

 

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