飼い主との別れから1カ月あまり、秋田犬「わさお」は今

工藤さんにひかれ、散歩に出ようとするわさお(中央)と妻のつばき(左)。後ろは娘のちょめ=青森県鰺ケ沢町
工藤さんにひかれ、散歩に出ようとするわさお(中央)と妻のつばき(左)。後ろは娘のちょめ=青森県鰺ケ沢町

 ブサかわ犬(不細工でかわいい犬)として人気を集める青森県鰺ケ沢町の秋田犬「わさお」の飼い主、菊谷節子さん(当時73)が亡くなって1カ月あまり。飼われているイカ焼き店では、11日も心配した観光客らがわさおの様子をうかがったり写真を撮ったりしていた。


 この日、わさおは妻のつばきとじゃれあうなどして、元気な様子をみせていた。わさおの活動を支援する工藤健さん(50)によると、菊谷さんが亡くなった直後は道路を見続けていたが、今ではしなくなったという。「姿が見えなくてもいつか会えると思っているのではないか」と、わさおの気持ちをおもんばかる。


 2013年に菊谷さんが長期入院した際、わさおは毛が抜け落ちた。菊谷さんは「この犬は1匹にしてしまうと死んでしまう」と話し、わさおに妻を迎えた。また、菊谷さんにしか懐かなかったわさおの世話を、店のスタッフやボランティアらに手伝ってもらうことで、自分の身に何かあっても、わさおの世話ができるようにしていたという。


 工藤さんは「菊谷さんの思いをみんな受け継ぎ、これまで通り、わさおに会いに来てくれる人に楽しんで欲しい」と話した。


(山本知佳)


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朝日新聞
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