命の大切さを学ぶ 体験型「生きものの楽園」開園

神石高原ティアガルテンでヤギとふれあう子どもたち
神石高原ティアガルテンでヤギとふれあう子どもたち

 7月4日、広島県神石高原町にあるピースワンコ・ジャパンの保護シェルターの隣接地に、体験型の観光パーク「神石高原ティアガルテン」がオープンした。ティーア(Tier)はドイツ語で動物、ガルテン(Garten)は庭や公園を意味し、私流に解釈すればティアガルテンは「生きものの楽園」となる。動物とのふれあい体験などを通じて、来園者に命の尊さ、大切さを学んでもらい、「人と動物と自然の共生」をめざすことを基本コンセプトとしている。

 

 オープニングの式典には神石高原町長はじめ120人が出席し、色とりどりの天然素材の風船を飛ばして船出を祝った。子どもたちはさっそく子牛やヤギや犬と触れ合い、自然放牧牛の健康な乳で作ったとびきりのソフトクリームを食べ、松の木につり下げられたハンモックで遊んだ。

 

 ティアガルテンは地元の有志が立ち上げた株式会社が運営するが、ピースウィンズ・ジャパンも同社などに4千万円を出資したり、施設の一部の整備を担ったりしている。「共生」のコンセプトは、殺処分ゼロをめざすピースワンコの活動にも通じるもので、私たちも、犬の散歩やしつけなどのシェルター作業を体験したり、殺処分問題について学んだりするプログラムを提供する。

 

ハンモックでくつろぐ来園者
ハンモックでくつろぐ来園者

 殺処分ゼロを実現するうえで、保護施設や譲渡センターの機能の拡充が必要なのはもちろんだが、より根本的で大事なのは、飼い主の意識を変えることだ。小さな命をいつくしみ、大切なパートナーとしてペットと向き合う心を育てるには、子どものころから動物に親しみ、その体温を肌で感じることが一番の近道だと思う。これまでも近隣の小学校などに保護犬を連れて出かけ、子どもたちに伝えることを重視してきたが、ティアガルテンのオープンをきっかけに、もっと広く修学旅行や体験学習での利用を募っていきたいと考えている。

 

 動物との触れ合い以外に、ティアガルテンでは有機野菜を味わったり収穫体験をしたりすることもできる。「みんなで創る」を合言葉に、ワークショップ形式で来園者がツリーハウスづくりなどに参加できるイベントも開く予定だ。お近くの方は、ぜひ一度足を運んでいただきたい。

大西健丞
1967年生まれ。NPO法人「ピースウインズ・ジャパン」代表理事。広島県神石高原町にシェルターを設け、捨て犬の保護・譲渡活動に取り組むプロジェクトを運営している。

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この連載について
大西健丞のピースワンコ日記
NPO「ピースウインズ・ジャパン」代表の大西健丞さんが、殺処分ゼロをめざして犬の保護活動に取り組む日々を語ります。
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