シンガポールには猫も犬もいない?!

 休暇を取ってシンガポールに行ってきました。

 この国に行くのは初めてではありませんが、改めて感じたのは、多民族が溶け込んで暮らしているということです。彼らはそれぞれのコミュニティーを持ちつつも、互いに排除することなく受け入れて生活しているように見えました。

 市街地は、中華系、マレー系、インド系を中心とする居住者たちと、韓国や日本や欧米からの旅行客がごっちゃに混じっている感じです。ほかの外国ではなかった感覚なのですが、電車に乗ったり街を歩いたりしていても、「自分が外国人である」という意識をあまり感じませんでした。

 さて、そんな「アジアにおける人種のるつぼ」というべきシンガポールにおいて、人と動物の共生はどのように図られているのか――? ペ弁としては気になるところで、ひそかにチェックしていました。

 しかし……、街には犬も猫もいない。

 アジアには野良犬や野良猫がいる国も結構ありましたが、ここにはそういった野良たちもまったくいない。

 日中は暑いから散歩に出てこないのか? いやいや、早朝や夜もいませんでした。

 観光地と市街の中心部しか見ていないというのはありますが、数日の滞在期間で私の記憶に残っているのは、ショッピングモール内で抱っこされていた小型犬1匹と、市街中心部で散歩されていた犬1匹だけです。猫はゼロでした。

 街中の広告などをみても、動物をキャラクターにしたものはありましたが、日本のように、かわいらしい幼い犬猫の写真が使われている広告は目にしませんでした。

 シンガポールで犬猫を見かけないのはなぜか??

 ゴミをポイ捨てしたら罰金……というように、街中の衛生面について厳しい規制がされているからなのか?

 ほかに楽しいことがいろいろあるから、ペットを飼いたい気持ちにならないのか?

 あるいは、なにか文化的・宗教的な理由でもあるのか?

 という疑問符を抱えながら、帰国してネットで検索。

 すると――、ペット飼育についてそれほど強い規制がされているようではなく(犬については毎年更新の登録制)、それなりに飼われていて、飼育放棄などの問題も少なからずあるようです。

 ただ、相当以前から経済や産業が発展しており、国民の生活も豊かだといわれている割には、ペット飼育はそれほど国民に浸透していないのでは?というのが直近の体験を通じて感じたところです。

細川敦史
2001年弁護士登録(兵庫県弁護士会)。民事・家事事件全般を取り扱いながら、ペットに関する事件や動物虐待事件を手がける。動物愛護管理法に関する講演やセミナー講師も多数。動物に対する虐待をなくすためのNPO法人どうぶつ弁護団理事長、動物の法と政策研究会会長、ペット法学会会員。

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