ニューヨークの真ん中に「都会のオアシス」 小さな動物園

 桜が満開のころ、「上野動物園」に行ってきました。天気も良く、とてもにぎわっていました。

「私が好きな動物トップ3」に入るパンダがいることもあり、私にとっては「上野=動物園」です。園内は緑に囲まれ、また多くの動物の姿を見ることができ、中に入ると都心部にいることを忘れてしまう不思議な空間でもあります。

 そんな上野動物園で、ふと、ニューヨークにある「セントラルパーク動物園」を思い出しました。大都会ニューヨークにあるセントラルパーク動物園で、上野動物園と同じような感覚を味わったのです。というわけで今回は、セントラルパーク動物園について書きたいと思います。

 ニューヨークのマンハッタン島に南北に広がる大きな公園、セントラルパークの南東の一角にあるのがセントラルパーク動物園です。高級ブランドショップが並ぶことで有名な5番街まで歩いて行けるところにあります。1~2時間で回ることができる小さな動物園ですが、都会のど真ん中にいることが信じられないような、大自然に囲まれた動物の展示スペースがあるのです。

 運営しているのは野生動物保護協会(Wildlife Conservation Society)。この協会はほかにも、ニューヨークにある三つの動物園(ブロンクス動物園、プロスペクトパーク動物園、クイーンズ動物園)と一つの水族館(ニューヨーク水族館)を運営していることでも知られています。

 日本でも2005年に公開された「マダガスカル」という映画はご存じでしょうか。セントラルパーク動物園は、この映画の舞台にもなっています。でも映画「マダガスカル」の主人公であるライオンやキリン、カバ、シマウマはこの動物園にはいません。ぎゅうぎゅう詰めになってもいいからたくさんの動物を集めるのではなく、小さな動物園なのだから数をおさえ、展示スペースを確保するという、まさに「量より質」を優先した動物園だと感じました。

ユキヒョウ。動物園自体の敷地は狭いのですが、動物たちのためには大きなスペースが確保されています
ユキヒョウ。動物園自体の敷地は狭いのですが、動物たちのためには大きなスペースが確保されています

 このことは、野生動物保護協会が運営する動物園が近隣にあることも関係しているのでしょうか。例えば、同じニューヨークにあるブロンクス動物園は、アメリカ最大の動物園。広大な園内には、モノレールに乗りながら見学をするゾーンまであります。まさに、野生動物たちの暮らしの中にお邪魔している雰囲気を味わうことができる動物園です。ブロンクス動物園についてはまたの機会に書きたいと思いますが、このように比較的近くに広大な動物園があるのだから、大きな動物園と小さな動物園、それぞれの立地に合わせ、動物が生活できるようにしているのかもしれません。

 ちなみに、ライオンはいませんが、Sea Lion(アシカ)はいます! 入り口を入ってすぐのところにある中央のプールで、すいすい泳いでいました。1日3回食事の時間があり、その時間には多くの人がプールの周りに集まっていました。

入り口を入ってすぐのところにあるアシカのプール
入り口を入ってすぐのところにあるアシカのプール

 ほかにも、4Dシアターや子ども動物園もあるなど、特徴的な取り組みをしています。大都会で少し休みたいときに、ふと立ち寄れる、まさに「都会のオアシス」という言葉がふさわしいと思える動物園でした。

「都会のオアシス」という言葉がぴったりの動物園
「都会のオアシス」という言葉がぴったりの動物園
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