高齢化で何が起きる? 寝たきりで床ずれ、咳が止まらない…

(写真は本文と関係ありません)
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 当院での相談例をあげながら、高齢犬に起こりうる症例について説明したいと思います。

 

 

①寝たきりで、ところどころに床ずれ(褥瘡)ができてしまいます

 寝たきりの原因は、椎間板(ついかんばん)ヘルニアや脳神経疾患の可能性なども否定できません。ただ、15歳近くになると手術ができなかったり、内科的治療にも反応しなかったりするケースがあり、その場合は症状を緩和させることしかできません。


 寝たきりでの一番の問題は、食物の誤嚥(ごえん)が起こりやすいことです。これは命取りになります。また、骨ばっている皮膚が摩擦により痛み、床ずれを悪化させます。


 これらの対策としては、食べ物はなるべく柔らかくして、少しずつ与えてください。また、床ずれのケアは、患部が硬い床などに当たらないように、クッションなどを利用して寝かせてあげてください。

 

 

②毎日のように咳をしており、あまり眠れていないようです

 胸を床などに押しつける体勢が苦しいと、いわゆる犬座姿勢という、前脚を立てて座る姿勢を取りがちです。この姿勢のまま常にうつむき加減になってしまう時に、咳の症状が現れることがあります。苦しいため、おなかで呼吸をし、肩を揺らしながら咳をします。


 こうした場合は、心臓、気管、肺などに問題があることが多いです。


 高齢になるにつれ心臓病を併発するケースもありますが、単純に心臓の機能低下によって問題が生じていることも多いです。気管や肺なども弱ってくるため、注意が必要です。

佐藤貴紀
1978年生まれ。白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師。日本獣医循環器学会認定医。 獣医師によるペット情報を動画配信中! シュガーペット:https://www.youtube.com/watch?v=4sp_caWbwPM&feature=youtu.be

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