夕暮れの中、オオカミの遠吠え… 夜の多摩動物公園

ボランティアの方の説明が勉強になったキリン舎
ボランティアの方の説明が勉強になったキリン舎

 前回のコラムでは夜の上野動物園に行った話を書きました。同じ週の土曜日、8月27日は夜の多摩動物公園に行ってきました。「サマーナイト@TamaZoo 2016」と銘打って、通常は入園は午後4時までで午後5時に閉園するところを、8月の土日と15、16日は午後8時まで開園していたのです(入園は午後7時まで)。

 園内には、園内マップ以外にイベント情報が書かれた用紙がありました。夜の動物園ではすべての動物を閉園まで見ることができるわけではありません。この用紙には、それぞれの動物の観覧終了時間も載っています。通常の開園時にも行われている飼育係の方によるえさやおやつの時間も、もちろんあります。1日もしくは2日のみのイベントもありますので、事前にチェックして参加を決める方もいたと思います。

 ちなみに多摩動物公園はとても広いので、普段から時間に余裕をもって出かけたほうがいいですよ!

 さてこの日の私は入園後、まずアフリカ園を目指しました。ここには、キリンやライオン、チーターなどがいます。キリンを見ていると、「ここにはキリンが16頭います」とボランティアの方が教えてくれました。ちょうど「ボランティアのスポットガイド」のイベントの時間だったようです。

 キリン舎のところには3人くらいのボランティアの方がいました。「キリン舎には赤ちゃんのキリンがいるけれど、まだ外に出てきたことがない」といった、見ているだけではわからない情報まで教えてくれました。しばらく観察をしていると、キリンがぶるっと皮膚をふるわせました。そうすると、「あれは体のハエを追い払っているんですよ」とすかさず情報をくれます。「何か質問ありますか?」と聞かれると困るかもしれませんが、動物を見ている時にさりげなく寄り添い、そっと教えてくれるのは嬉しいですね。

 アフリカ園のあと、地図を見ながらどこに行こうか考えました。暗くなったらオオカミは見えないのでは……と思い、暗くなる前にオオカミ舎を目指しました。ちなみにオオカミは、アフリカ園から一番離れたところにいます。もう少しでオオカミ舎というところで、オオカミの遠吠えが聞こえてきました。その声に導かれるようにオオカミ舎のもとへいきました。

 4頭のオオカミが夕暮れの中、一斉に吠える姿はりりしく、とてもかっこよかったです。しばらくすると日は完全に沈みました。動物のいるスペースはほのかに照明で照らされていますが、暗闇に浮かび上がる動物の姿はとても幻想的です。中には、真っ暗で本当に動物がいるのかな?というところもありました。例えば、トラ。誰も立ち止まらず素通りしていましたが、暗闇の中、目を凝らして探してみると茂みの中で休んでいる姿を見つけることができました。

 場所によってはほとんど明りがないところもありますが、夜行性の動物が動き回る姿を見ることもでき、日中の動物園とは異なった顔を持つ夜の動物園、おすすめです。開園時間の夜間延長は8月に多いイベントですが、9月に入っても実施している動物園もありますよ。

 現在、このコラムを女満別空港から羽田空港に向かう飛行機の中で書いています。北海道では野生動物との出会いもありましたので、この話は次回のコラムで書きたいと思います。

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