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岩倉由貴・sippo|更新|2016/12/26

第27回 言葉を話せない動物のため 私たち飼い主が「翻訳機」になろう

動物と話せる電話があったらいいのに……
動物と話せる電話があったらいいのに……

 年末年始に向けて大掃除をしていたら、私が小学生の時に夏休みの宿題で描いたポスターの下書きを見つけました。ポスターのテーマは、確か“未来の電話”だったと思います。小学生なので約30年前。みなさんならどのような未来の電話を考えるでしょうか。

 私が描いたポスターは、“動物と話せる電話”でした。熊がテレビモニターに映っていて、私はそのテレビモニターとつながっている受話器に耳をあて、熊とお話をしているものでした。当時から動物が大好きだったことが分かります。

 さて、残念ながら今のところ動物と話せる電話はありません。ですが、例えば、犬の尻尾の振り方から気持ちを読み取るなど、動物の行動や鳴き声から気持ちを理解する書籍や情報はたくさんあります。また、犬の気持ちを翻訳する「バウリンガル」や猫の気持ちを翻訳する「ミャウリンガル」という商品も誕生しました(アプリもあります)。アニマルコミュニケーターという職業もあるそうです。

 直接は話せないけれど、自分が飼っている動物のことを理解することは、動物と良い関係を築くうえでもとても大切です。

 例えば、私たち人間は腹痛の時、ドラッグストアに行き薬を購入することができます。または、自分の足で病院まで行き、診察を受けることもできます。診察の際には、医師に病状を伝えることで、医師に的確な診断と処置をしてもらえます。

 一方、動物は言葉が話せませんし、自分で薬を買いに行くことも病院に行くこともできません。でも、ご飯を食べなかったり、ぐったりしていたり、鼻先が乾いていたりと、いつもとは違う時があります。そう、言葉は話せないけれど、シグナルを発しているのです。

 このとき、言葉を話せない動物の気持ちを読み取り、理解し、例えば動物病院に連れていくといった行動を起こすこと、そして、連れていくだけではなく、飼い主が「翻訳機」となって、獣医師に伝えることが必要となってきます。飼い主がいつもの様子をきちんとみているからこそ、病院に連れていき、いつもとは違う点を獣医師に伝えることもできるのです。病気の早期発見にもつながりますね。

 私も犬を飼ったら、「何を考えているのかな」「どんな気持ちかな」と言葉や気持ちを理解できるよう多くの時間を共に過ごし、わずかな変化も見逃さないようにしたいと思います。

岩倉由貴

岩倉由貴(いわくら・ゆき)

東北大学大学院経済学研究科博士課程修了。経営学博士。現在、横浜商科大学商学部商学科准教授。専門は流通とマーケティング。


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