寒い冬、犬の体温の低下を防ごう 注意すべきポイントは?

(写真は本文と関係ありません)
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  • :寒い日が続いていますが、犬も寒さがこたえますか?
    :高齢だったり、幼かったりする場合には寒さに対する注意が必要です。これは猫についても同様です。
  • :うちの犬はもうシニアです。どう気を付ければいいですか。
    :まず外飼いはやめましょう。外で寒風にあたりつづけるだけで、低体温症になってしまいます。また屋内飼育をしていても、雨の日に散歩に出て身体がぬれた状態で放置すると、1時間くらいで体温が低下することがあります。ぬらしてしまった時には、タオルなどでしっかりと拭き、ゆっくりと温めてください。

    低体温症になると沈うつ状態になったり、意識が低下したり、瞳孔が縮んだり、といった症状が見られます。そうなると心拍数や血圧も低下していますので、たいへん危険な状態です。必ず動物病院に連れて行くようにしてください。

    なお屋内飼育をしている場合、犬にとっての適温は23度くらい、湿度は70%以下を目安にしましょう。
  • :幼い犬も寒さに弱いんですね。
    :8週齢(生後56日)に満たない幼齢期は、母親のそばにいることによって体温が維持できています。そのため母親から20~30分も離すと、体温が急激に下がっていきます。どうしても、幼い犬や猫を母親とは別に飼育しなければいけない場合には、湯たんぽを置いたり、すきま風を防いであげたりする必要があります。
  • :寒さに気を付けないといけないのは、ほかにどんな場合でしょう。
    :チワワやミニチュア・ピンシャーなど体毛が少ない犬種については、気を付けたほうがいいですね。雨や雪の日に散歩する場合、私自身は犬に服を着せるのはあまり好きではないですが、身体をぬらさないために服を着せるなどの対策をしてあげたほうがいいかもしれません。

    あとは高齢や幼齢で、痩せている犬猫です。寒さに震えていないか、よく見守ってあげましょう。一方、病気やケガで寝たきりになってしまった時には、湯たんぽなどで温めてあげる必要がありますが、この場合は低温やけどをしないように注意が必要です。

    最後に、若くて元気な犬であれば、雪の上でも楽しそうに遊ぶでしょう。その時に注意した方がいいのは融雪剤です。肉球がふれるとやけどの原因になります。融雪剤がまかれている可能性のある場所は、歩かせない方がいいですね。

イヌ・ネコ ペットのためのQ&A

監修: 山根義久
編著: 公益財団法人動物臨床医学研究所
発行: パイ インターナショナル

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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この連載について
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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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