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岩倉由貴・sippo|更新|2017/02/03

第29回 ペットは家族だけど、「いつも一緒にお出かけ」はハードルが…

飼い主さん、ちゃんと戻ってくるかな?
飼い主さん、ちゃんと戻ってくるかな?

 犬を飼っているかた、お散歩の途中でお買い物がしたいとき、どうしていますか? お店の前につながれた犬をよく見かけます。飼い主はお店でお買い物をしているのでしょう。ワンワンと大きな声でほえている犬、クーンクーンと鼻を鳴らす犬、不安そうにうろうろしている犬……。先日、しょぼんとした顔で待っている犬がいましたが、おとなしく待っている犬を見ると、「誰かに連れ去られてしまうのでは……」と不安になってしまいます。と同時に、「飼い主さん、ちゃんと戻ってくるよね……」と不安になります。

 ドイツに行ったとき、スーパーの前でおとなしく飼い主を待っている犬を見ました。ほえることもなく、凛とした姿で飼い主を待っている姿がとても印象的でした(警察犬として活躍するジャーマン・シェパード・ドッグのような犬だったからそう見えただけかもしれませんが)。また、お店の前で待っている犬がいても通行者は特に目を向けることもありませんでした。これが「普通」の風景なんだなと思ったことを覚えています。

 私が小学生の時、コンビニエンスストアに行こうと思い、せっかくだから飼っていた犬も連れて散歩に行ったことがあります。犬をつないでおくところはありませんので、お店の前の公衆電話の台にリードをしばってお店の中に入り、急いで買い物を済ませ、戻ってきました。私が買い物をする間、ずっと吠えていました。当時、飼っていた犬は、私が拾ってきた犬です。もしかしたら「また飼い主に置いていかれるのかもしれない」と思い、必死に呼んでいたのかもしれません。悲しい思いをさせてしまったのではないかと反省し、それ以来、連れていくことはやめました。

 ペットは家族という位置づけになりつつあるものの、残念ながら人間が行くところすべて一緒に出掛けられるわけではありません。訓練を受けた盲導犬でさえ、入店を拒否されるという問題もあります。飼い主からすれば「うちの子は大丈夫」かもしれませんが、自宅では“良い子”でも、環境が変わればいつもとは異なる行動をするかもしれません。たった1匹がトラブルを起こしたことで、ペット同伴可の店がペットの入店禁止になるかもしれませんし、盲導犬ウェルカムという姿勢が醸成されにくくなるかもしれません。

 ペットが受け入れられるようになるためには、基本的なことですが、しつけと飼い主との信頼関係、そして犬が苦手な人もいるということを理解することが大事なんだと思います。

岩倉由貴

岩倉由貴(いわくら・ゆき)

東北大学大学院経済学研究科博士課程修了。経営学博士。現在、横浜商科大学商学部商学科准教授。専門は流通とマーケティング。


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