高齢の犬の性格が変化 認知症かも知れません

(写真は本文と関係ありません)
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  • :9歳になる日本犬を飼っています。穏やかな性格でしたが、ここ1年で突然激しくほえたり、尻尾を追いかけながらくるくる回ったりするようになりました。何かの病気でしょうか?(静岡県・男性)
    :飼育環境に大きな変化があった場合には、同じ行動を繰り返し続ける常同障害や分離不安など、精神疾患が考えられます。心の病の診療が得意な動物病院に相談してみましょう。一方でもし、これまでと同じ環境で飼育を続けているのにそういった症状が見られるのだとしたら、加齢にともなう認知症かもしれません。


    高齢になると、犬も認知症になることがあります。部屋の中を同じ方向に回り続ける旋回運動や夜鳴き、不適切な排泄(はいせつ)などがその典型的な症状です。個体差がありますが、10歳前後で見られるようになる病気です。犬種別では、日本犬やその雑種、特に柴犬で多いとされています。


    犬の認知症は、まだあまり解明されていないのですが、動物病院ではサプリメントを処方して対応するのが一般的です。また予防法としては、ドコサヘキサエン酸(DHA)が多く含まれたドッグフードをあげるのが良いとされています。


    なお、急に激しくほえたり、かみつこうとしたりするのも加齢が影響している場合があります。犬も年を取ると聴力や視力が衰えます。急に触ろうとしたりすると、びっくりしてしまいます。その時の反応が、人間からすると暴力的に見える可能性があるのです。


    犬は7歳を超えるとシニア期に入ります。日ごろから体調や行動の変化をよく見ておいてあげましょう。

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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この連載について
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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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