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村田香織・sippo|更新|2017/10/11

結婚半年たっても飼い猫が夫になつきません どうしたらいい?

 出会った人にいつまでも慣れず、抱っこもさせてくれない……。そんな飼い猫に困っていませんか。無理強いせず、時間をかけて猫と信頼関係を築くのがおすすめ。仲良くしてもらう方法をお伝えします。


近づけないほど怖がっている時は、ケージに入れてスプーンで好物を与えてみましょう
近づけないほど怖がっている時は、ケージに入れてスプーンで好物を与えてみましょう

Q:はじめまして。4歳になるメス猫(名前:ハル)のことで、ご相談があります。


 以前、私は一人暮らしをしていて、その時からハルを飼っていました。性格は大変おとなしく、知らない人が来るといつも隠れているような感じでした。半年前に結婚したのですが、ハルが夫を異常に怖がってしまうのです。夫が触れようとすると「フーッ」と威嚇して引っかきます。初めてそうなった時は、抱っこしようとしたときです。半年たった今も夫には全く寄りつきません。このままでは夫もハルもストレスがたまってよくないと思うので何とか仲良くさせたいのですがいい方法はないでしょうか。

 

 

◆「危害を加えるつもりはない」と示す

A:こんにちは。猫はもともと警戒心の強い動物ですが、特に幼い頃から特定の人しかふれあいのない環境で育つと、大人になって出会った人に慣れるのに時間がかかります。また「恐怖体験」はこの傾向をさらに悪化させます。以前、抱っこされそうになった時、それはハルちゃんにとって恐怖を感じるできごとだったのでしょう。ご主人が近づくと身構えたり、耳を伏せて固まったり、逃げようとするのではないでしょうか。このような猫に対して、正面から目を見ながら近づいたり、抱っこするために覆いかぶさるような姿勢で両手を近づけることは、もっとも恐怖を感じやすい行為です。ご主人にはそのつもりが全くなくても、ハルちゃんは自分が襲われると勘違いしてしまったのでしょう。残念ながら言葉で誤解を解くことはできないので、時間をかけて信頼関係を築いてもらいましょう。


 まず危害を加えるつもりがないことを示すために、ハルちゃんにはしらんぷりで、近くで動くときにはゆっくりと静かに動いてもらってください。ハルちゃんのいる方向に向かって移動する時には眼を合わさず、まっすぐに近づかないように少し回り道するように移動すると良いでしょう。


 このようにして危害を加えるつもりがないことを示しつつ、ハルちゃんの好きなものを使ってよい関係を築きましょう。たとえばハルちゃんの大好きなおもちゃを見つけ、それで楽しく遊んであげましょう。まずあなたとおもちゃで楽しく遊べるようになったら、こんどはご主人にさりげなくおもちゃを手渡し、ハルちゃんの目の前で動かして遊びに誘ってもらいましょう。座った状態で、動かすのはおもちゃだけにしてください。のってこないようであれば、あなたがおもちゃで遊び、ご主人はそばに座っていてもらいます。ハルちゃんのテンションが上がってきてから、おもちゃを動かすのをかわってもらいましょう。

 

 

◆ケージ越しに好きな食べ物を与えてみる

 さらにハルちゃんの食べ物はあなたからではなく、ご主人から与えてもらうようにします。好物を持っていても近づくこともできないほど怖がっているようであれば、ケージを利用して、食事はケージ内で与えるようにします。ケージに入れてすぐにご主人が近づくと「ケージは危険な場所」と認識してしまいますので、慣れるまでは近づかないでもらってください。ケージで喜んで食べるようになったら、空腹時にご主人からスプーンなどでケージ越しに好物を与えてもらうなどするのも良いでしょう。


 この時も正面からのぞき込むように見るのではなく、横向きに座って好物の入ったスプーンを持ち、ハルちゃんが自分から近づくのを待ちます。この時にじっと見つめるのではなく別の方向を見るような感じで横を向いておいてください。テレビでも見ながら食べるのを待ってもらっても良いでしょう。


 どうしても食べてくれない場合は、スプーンを置いて少し離れてもかまいません。またフードを少しずつ投げ入れてもかまいません。それらを食べるようになれば再びスプーンからあげてみましょう。もっと慣れてくれば静かに声をかけたり、目を合わせたり、あごや額の部分などを触っても良いでしょう。あくまでハルちゃんの様子を見ながら、怖がっているようなら無理強いはしないことです。


 根気よく行えば、いずれ心を開いてくれると思いますが、うまくいかない場合は専門家に相談してみるのも良いでしょう。不安を取り除く効果のある薬やサプリメント、フェロモン剤などが有効な場合もあります。

村田香織

村田香織(むらた・かおり)

もみの木動物病院(神戸市)副院長。イン・クローバー代表取締役。日本動物病院協会(JAHA)の「パピーケアスタッフ養成講座」メイン講師でもある。


イヌとネコの「こころの診療科」よりの記事


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