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村田香織・sippo|更新|2018/02/13

体罰は犬との関係を崩壊させるだけ! 問題行動の原因を明らかにして

犬の問題行動は予防と早期治療を
犬の問題行動は予防と早期治療を

 先日、あるテレビ番組で、犬の問題行動を直すためという目的で「体罰」と思える対処方法をとっているケースが紹介されていました。行動学関係の獣医師の多くが疑問を感じる内容でした。そこで今回は、あらためて体罰は飼い主と犬の関係を崩壊させ、攻撃行動を悪化させる危険性が高いことをお伝えしておきたいと思います。


 犬は言葉がわからないから体罰が必要と考える人もいますが、言葉が通じないからこそ体罰によって犬との関係を悪くしてしまうと修復は困難となります。家族として一つ屋根の下で平和に暮らすことを望むのであれば、問題行動の原因を明らかにし、犬の気持ちも理解した上で時間をかけて良い関係を築く努力が必要です。


 そもそも犬と人は異種動物なので、一緒に生活するためには犬のことを知る必要があります。犬と暮らすことは本当に幸せなことですが、犬という動物を理解せずに飼うとお互いに不幸になることもあります。


 問題行動は身体の病気と同じように「予防」と「早期治療」という概念を持つことが大切です。現在、子犬を飼っている、あるいは子犬を飼おうと思っている方には特にこのことを知っていただきたいです。飼い主への攻撃行動をはじめとする多くの問題行動は、適切な飼い方や子犬期の教育によって予防できます。

 

 

◆犬の問題行動、重症化する前に専門家に相談を

 また仮に予防できなかったとしても、早期に正しく介入すれば良好な経過をたどることがほとんどです。多くの問題行動は子犬期からその兆候が見られます。重症化する前に、身近な子犬教育に詳しい専門家に相談してほしいと思います。


 犬を取り巻く環境が急激に変化してきた現在の日本で、子犬期に適切な飼い方や社会化を含む教育を指導する専門家のアドバイスが必要です。現時点でそれらの専門家が十分いるとは言えない状況ですが、日本獣医動物行動研究会(http://vbm.jp/syokai.html)や日本動物病院協会(https://www.jaha.or.jp/owners/dog-class/)のサイトにリストがありますので参考にしてください。


 犬が人間社会に順応し、家族の一員として飼い主と幸せに暮らすためには、子犬期の教育が重要です。ちなみに当院では4カ月までの子犬にはパピークラス、引き続き1歳まではジュニアクラスをお勧めしています。また十分な社会化やエネルギー発散のために犬の幼稚園(デイケア)もお勧めです。パピークラスやデイケアに参加して基本的な社会化が出来ており飼い主との関係が良好な犬はたとえ問題行動を起こしたとしてもスムーズに改善する場合がほとんどです。


 逆に、すでに問題行動がある場合は、まずカウンセリングに来ていただき、月齢や問題行動の種類や深刻度によって、行動修正、外科的治療や薬物治療などとともに、しつけ教室やデイケアなどを併用する場合が多いです。問題行動の種類によっては泊まりで預かることもありますが、犬を変えること以上に飼い主さんの犬への接し方や飼育方法を変えていただくことが大切になります。


 深刻な問題行動は伝染病やフィラリア症のように予防する必要があること、そして問題を感じたら早期治療が大切であるということは、ぜひ覚えておいてください。

村田香織

村田香織(むらた・かおり)

もみの木動物病院(神戸市)副院長。イン・クローバー代表取締役。日本動物病院協会(JAHA)の「パピーケアスタッフ養成講座」メイン講師でもある。


イヌとネコの「こころの診療科」よりの記事


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