愛犬をよく知って、より素敵なおでかけをしよう!

 

 飼い主と一緒に過ごせることが、犬にとっては一番の幸せ。だから旅行に連れて行ってもらえることは、大きな喜びにつながります。

 せっかくなら、その喜びをより大きなものにしてあげたい――。飼い主なら誰もが思うことでしょう。そのためには、犬種ごとの特性を把握しておくことが重要。日本獣医生命科学大学の水越美奈准教授に、犬種とおでかけの相関関係を伺いました。

 

 

■水越先生に聞く 楽しいおでかけのポイント

水越美奈准教授
水越美奈准教授

 まず確認すべきは、犬の原産国とそれにともなう身体的特徴だと水越美奈准教授は言います。


「寒い地域が原産国の犬は、やっぱり暑がり。寒さに耐えられるよう被毛がダブルコートで、かつ密集していることが大きな要因です。日本犬やカナダ原産のラブラドール・レトリーバーなどの短毛種でも、寒いところ出身だと下毛が豊富ですよね。一方で、たとえばイタリアン・グレイハウンドなどだと、短毛種でしかも下毛が少ないので、寒がりです」

 つまり、自分が飼っている犬が暑さに弱いのか、それとも寒さに弱いのか、事前に把握しておく必要があると言うこと。暑さに弱い犬を炎天下で長く歩かせたり、寒さに弱い犬を雪山に連れていったりすれば、犬にとっては苦痛だし、場合によっては体調を崩す可能性もあるのです。


 またパグやフレンチ・ブルドッグのような短頭種は、原産国に関係なく身体の構造上の問題で暑さに弱い。こうした犬種は、さらに気温や天候の変化に対する注意が必要だとも指摘しています。


 ちなみに、長毛の犬種で、夏場に「サマーカット」にする飼い主もいるようですが、
「たとえば、アフガン・ハウンドは砂漠の犬だけど長毛種。この場合、被毛は直射日光を防ぐという役割も持っているのです。夏になると長毛種を丸刈りに近い状態にしている飼い主がいますが、肌に直射日光があたって体温が上昇してしまい、かえって熱中症の危険性を高めかねません」


 犬種によって、好き嫌いがわかれそうなレジャーもあると言います。最近ではスノートレッキングを犬と一緒にという飼い主も増えていますが、前述のように、寒さに弱い犬にとってはいい迷惑でしょう。ほかにも、たとえば「水」。すべての犬が「犬かき」が得意で、水をいとわないというのは、誤解なのだそうです。


「ラブラドールやゴールデン・レトリーバーは、もともと水鳥などの猟に使われてきた歴史があり、泳ぐのが好きだし、得意です。それぞれの体力にあわせて、水遊びを楽しませてあげればいいでしょう。でも柴犬はぬれるのが嫌いな子が多いので、わざわざ水遊びに連れて行かなくてもいいですよね。またフレンチ・ブルドッグやダックスフンドなどのように体形が特徴的な犬種の場合、重心の問題で泳ぐのが苦手だったり、もっと言えば泳がせるのが危険だったり、ということもあります」

 ほかにも大型犬種のなかには、股関節形成不全という病気を抱えているケースが少なくありません。アスファルトの坂道を頻繁に上らせたりすると症状が悪化する可能性があるので、注意する必要があるとのこと。また、どんな犬種でも、疲れたら歩かなくなります。そうなった時、小型犬なら飼い主が抱えて歩けばいいですが、大型犬ではそうもいきません。

「旅行に犬を連れて行く前に、自分が飼っている犬の特性や健康状態を普段からよく確認しておくことが大切です。そうすることで、犬と一緒のおでかけは、飼い主にとっても犬にとっても、より楽しいものになるのです」

 

 

■愛犬を知ろう

トヨタドッグサークル 犬百科
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sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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