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ペット業界の「今」とは ~ペット産業界の動向と戦略~

■「インターペット」とは?

「インターペット」とは、今年で5年目を迎える日本最大級の国際ペット産業見本市で、異業種コラボレーションによりペットビジネスの裾野を広げる、人とペットの新たなライフスタイルの提案等をコンセプトに、2011年に初開催されています。

 当会は、2014年より、ペット産業界の動向と戦略にキャッチアップするために同イベントを訪れ、会報で報告してまいりました。

 会報「ALIVE」113号では、「インターペット2014 ペットが運ぶ心と体の健康」というテーマのもと複数開催されたセミナーの内容、多種多様なペット同伴実態など会場内の様子をレポートしています。

 今年2015年には、4月2日~5日までの4日間、東京ビッグサイト東ホールにて、ジャパンケンネルクラブ、ペットフード協会、日本ペット用品工業会の国内3団体共同によるアジア最大のペットイベント「ALL JAPAN PET EXPO in TOKYO」が開催されました。(日本企業と海外企業合わせて233の出展があり、4日間で2万2039人もの来場者があったと公表されています。)

 会報「ALIVE」115号には、同イベントの「インターペット2015」をとりあげ、連日開催された複数のセミナーやパネルディスカッションを聴講、ペット産業界や関連業界のトップ、環境省職員、政治家の方々が示唆したペット産業の戦略と動向について、詳細なレポートを掲載しています。

 116号では、「2015ジャパンペットフェア」が企画した生体展示「ペットとのふれあいコーナー」に出展していた6つの第一種動物取扱業者の動物の取り扱い、人材配置状況など現地調査で明らかとなった移動動物園業者の問題をはじめ、管轄外区域行政への業登録申請手続き上の問題点について東京都を所轄する動物愛護管理行政に指摘、改善要請を行っています。

インターペット ビジネス・フォーラム報告

 そして今年7月16日、恒例のインターペットビジネス・フォーラムも開催されました。「ペット産業の明るい未来をどのように具現化するか!? ~メーカー、卸、小売、獣医クリニック、学校他は、今、何が出来るか~」というテーマのもと、飼育のトレンドや、「ペット産業の明るい未来をどのように具現化するか」という議題でパネルディスカッションが行われ、各業界の関係者が熱心に議論されていました。このイベントで浮かび上がってきたペット産業界の「今」を簡略ながらご報告させていただきます。

 

■犬のみならず猫も飼育頭数減少傾向か、危機感を抱く業界

 これまで当会が数回にわたり行った調査により、ペット産業界は犬の飼育頭数の減少に危機感を抱いていることがわかっていますが、このフォーラムでも、一般社団法人ペットフード協会の最新の調査(2014年)をもとにした説明があり、毎年、犬の飼育頭数が減少しているという報告がなされました。

 また、猫の飼育頭数は2007年から変化がなく、横ばい-微増の傾向であったものの、2007年から比べると子猫の飼育頭数が減っており、13歳以上の割合が高くなっていることについて、少子高齢化の影響があると言及されています。犬と同様、このままでは数年後から猫も飼育頭数の減少が始まるのではないか、と強い危機感を抱く業界の懸念が感じられました。

 

■「学校での抱っこの機会」で一目惚れ!?飼育頭数を増やす業界戦略

 パネルディスカッションでは、獣医師・小売・学校・ペット用品などの業界関係者が登壇し、直前になされた飼育頭数の減少について再び議論が始まりました。業界関係者の意見はこれまで通り、

・高齢者と子どもに焦点を当てて、いかにこのターゲットに動物を飼育してもらうか
・どのように販路を拡大するか

 という話題が中心となっていました。そのなかで、やはりここでも、

「もっと気軽に繁殖できるようにすべき」
「業界として、一目惚れ、抱っこする機会を増やすために、学校を含めて
考えなければならない」

 などの具体的な発言があり、業界の方向性は変わっていないことが確認されました。

「ペット産業のこれからについて」の議題においては、ペットの飼育頭数を増やすために、人材育成や質の向上、異業種とのコラボレーション拡大、地域包括ケアシステムの構築、などという話しがなされました。しかし、少子高齢化、人口減少、格差の拡大(貧困問題)… 日本、そしてもっと小規模単位の地域社会は激変の時期を迎えています。

 こうしたなかで、動物に対してその福祉を保障し、「適正」に飼養できる一般家庭は限られることが予想されますが、このようなペット業界の戦略は現状に即したものなのでしょうか。業界が掲げる「ペットとの共生」の真の目的について、今後広く一般に周知を図っていく必要がありそうです。

ALIVE

ALIVE(アライブ)

1996年設立のNPO法人「地球生物会議(ALIVE)」。地球上に生息するすべての生物が地球の構成員として尊重される社会を構築することを理念として、動物、生命環境などに関する実態調査、改善提言、普及啓発および法律改正運動などを全国規模で行う非営利団体。
URL:http://www.alive-net.net


from 動物愛護団体の記事


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