NIH チンパンジーを使う実験を打ち切る 米国

当会(JAVA)と協力関係にある海外の動物保護団体から届いたニュースをお届けします。


チンプ・ヘブンの保護施設で、木登りをして遊ぶチンパンジー ©Chimp Haven
チンプ・ヘブンの保護施設で、木登りをして遊ぶチンパンジー ©Chimp Haven

—NIH(米国国立衛生研究所)所長/医学博士 フランシス・S・コリンズによる発表—

 2013年6月、NIHは、公的資金の援助を受けたチンパンジーを使った生物医学研究実験を大幅に減らすことを発表し、それ以来、非営利学術機関IOM(米国医学研究所)の基準を満たさないチンパンジーの実験を段階的に減らしてきた。

 そのような中で、2015年6月に、FWS(米国魚類野生生物局)が飼育下にあるチンパンジーを絶滅危惧種に指定するという大きな進展があった。

 NIHは2013年6月の発表に従い、2015年11月18日、ついに研究用に飼育していた50頭のチンパンジーの保有をやめる決定をしたと公表した。これにより、NIHのすべてのチンパンジーが実験から解放されることになる。

 チンパンジーたちはルイジアナ州キースビルにあるチンパンジー保護団体「チンプ・ヘブン」が運営する保護施設に、健康状態や集団関係などの福祉面を慎重に考慮した上で、それぞれのチンパンジーに最適なタイミングで移されることとなった。

 しかし、NIHのこの決定はチンパンジーに限ったことであり、チンパンジー以外の非ヒト霊長類を用いた実験は継続される。

NIH Will No Longer Support Biomedical Research on Chimpanzees:

https://www.nih.gov/about-nih/who-we-are/nih-director/statements/nih-will-no-longer-support-biomedical-research-chimpanzees

AWI Quarterly Fall 2015 Volume 64 Number 4 : Last of NIH Chimpanzees to Be Retired:

https://awionline.org/awi-quarterly/2015-fall/last-nih-chimpanzees-be-retired

JAVA
NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)。1986年設立。動物実験の廃止を求める活動を中心に動物の権利擁護を訴え、世界各国の動物保護団体と連携しながら活動している市民団体。
この連載について
from 動物愛護団体
提携した動物愛護団体(JAVA、PEACE、日本動物福祉協会、ALIVE)からの寄稿を紹介する連載です。
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