嫌がる猫に飲み薬 なぜ必要か「言って聞かせる」のがコツ?!

2匹でハートマークっぽい?
2匹でハートマークっぽい?

 猫に薬を飲ませるのは大変です。

 ネットでは、「猫の顔を上に向けて、あごの付け根を抑えて口を開かせ、奥まで錠剤を押し込めば、つるっと飲んでしまう(錠剤の場合)」というような説明を見かけますが、そんなに簡単だったら苦労しないよ~という話です。

 心の準備が整っていない状態の猫であれば、押さえつけられて「あれあれ?何?」と思っている間にゴクリと飲んでしまいます。しかし、毎日飲ませていると、「薬の気配」を感じるようになり、つかまえようとすると逃げるようになってしまいます。

 錠剤をぷちっと出す音や薬袋の音にも反応し、逃げ回って捕まえたころには恐怖が増し、猫は絶望の中で薬を飲まされるようなものです。これでは、猫も人間も神経をすり減らして苦労が絶えません。

 私はビビってなかなか飲ませられないし、薬を飲ませるのが上手な夫ですら苦労していたので、何かコツはないのかと、ネットで探しましたが、明確な答えは見つけられません。

 かかりつけの病院で聞いても、ネットで見たような情報しか得られませんでした。

 なので、猫の扱いのプロ、ペットシッターさんに聞いてみることにしました。ペットシッターさんなら、初対面の猫にも薬を飲ませることがあるし、きっと必殺技があるに違いないと。

 何度かお願いしているシッターさんなので、かかりつけの病院の次に我が家の猫のこともよく知っているし、親身に話を聞いてくれます。

 投薬についての質問のメールを送ると、すぐに長文の返信が帰ってきました。

 わくわくして内容を確認すると、そこには意外な答えがありました。

 まず“猫に説明すること”を心がけているというのです。

「今からお薬を口に入れるから、ちゃんと飲んで欲しい」「それを飲むと痒みがおさまって楽になるから」「大好きだから早く良くなって欲しい」「絶対に治してあげるから信じて」など、シッターさんが思っていることを、初対面の猫にも分かりやすく説明するようにしているのだとか。

 これには、目からウロコでした。一瞬、「なんてメルヘンな!」と思いましたが、シッターさんだって、その言葉そのものが通じているとは思っていないはず。

 言葉が通じないから言っても無駄、なんて考えずに、言って聞かせることで、猫に雰囲気を感じ取ってもらうことならできる。

 怖いことじゃない、必要なこと、と分かってもらおうとする姿勢が大事なのではないかと。

 まだまだ猫のことを考えられていなかったなぁ……と反省させられました。

 そのほかには、逃げたら追わない、素早く終わらせる、マッサージやスキンシップでリラックスしてもらう、など心がけているそうです。

 押さえつけられて、わけのわからないものを飲まされて、恐怖でしかない猫には、リラックスさせるのが一番大事なことだったのです。

 このシッターさんなら、猫を任せられるなと改めて思ったのと、猫との接し方を改めて見直すことができたのでした。

(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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