猫に愚痴をこぼすと、「ニャー!」と返事 心安らぐとき

あんずの頭上にヤモリ(窓の外)。いつもの光景です
あんずの頭上にヤモリ(窓の外)。いつもの光景です

 犬を飼っていた友人が「会社で嫌なことがあると、飼い犬に愚痴を言ってストレス発散していた」と話していたことがありました。

 もちろん犬は何も答えないけど、ただじっと耳を傾けてくれるような姿を見るだけで、ささくれだった心がほぐれてゆくんだそうです。

 その犬は天寿を全うし、友人は今のところ犬を飼っていないので、ストレス解消できているのか心配です。

 我が家にも猫がいるので、愚痴を聞いてもらおうと思えば、可能ではあります。

 以前、初対面の人から長時間に渡って愚痴を聞かされるという理不尽なアクシデントがあったときのこと。その人の愚痴は、どうでも良い内容の割にはずっしり重く、心の中にモヤモヤドロドロと溜まってしまいました。

 私はそんな時「これをすればストレス発散になる!」というものを持ち合わせておらず、ただモヤモヤして帰宅するしかありません。たとえ運動したり、映画を観たりしても、嫌なことを思い出してしまうのです。

 その日も重い気持ちで玄関の扉を開けると、いつものように我が猫・あんずの姿がありました。玄関でチラッと私の姿を確認すると、すぐに部屋に戻ってしまうのですが、嫌なことがあった日は、出迎えてくれると、ほっと心が安らぎます。

 ペットは家族、というのは、こういうことから実感していくのかもしれません。

 部屋に入ると、あんずはごはんの催促と、家人の帰宅の喜びで、ニャーニャー鳴きながら私にまとわりつきます。

 もう1匹の猫モモは、のっそりと起きてきて、黙って“歓迎の爪とぎ”をしています。

 エサの支度をしながら、足にまとわりつくあんずに話しかけてみました。

 私「あんず~今日、嫌なことがあったよぉ~」

 すると、あんずは「ニャー!」と答えます。

 まぁ、この猫は、何を言っても「ニャー!」と答える良い子なのですが、返事のタイミングが面白くて、話し続けました。

 私「なんで愚痴を言う相手が私なの~」

 あんず「ニャー!!」

 私「そんなん知らないっつーの!」

 あんず「ニャー!!!」

 5往復くらい会話しているうちにバカバカしくなって、笑ってしまいました。

 エサをやると、猫らはガツガツと食べ始め、それを見ていて、さらに心が安らいでゆきました。

 家族に愚痴をこぼす、ということを、私は今までしてこなかったけど、猫になら話せるし、短時間で切り上げられていいかもしれない、と実感しました。

 犬のほうが素直に聞いてくれそうなイメージがあるし、賢いから少し理解できているんじゃないか?というほどに飼い主の気持ちに寄り添ってくれそうなイメージがあります。

 でも猫だって、飼い主に寄り添ってくれるという意味では同じだなぁと感じたのでした。

(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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