シャンプーなんて大嫌い! ワンちゃんシャンプーのプロの技

そんなに悲しそうな顔をしないで
そんなに悲しそうな顔をしないで

 シャンプー嫌いの犬にとっては、世界の終わりといってもいいくらい恐ろしいこと。お風呂場に連れて行っただけでパニックになる犬もいるほどだから、飼い主にとっても一大事です。そこで、犬がリラックスしてシャンプーを受けられるコツを、ペットの専門店コジマのトリミング課主任で、トリマー歴19年の橋本弘美さんに教えてもらいました。

(末尾に写真特集があります)

「ワンちゃんがシャンプーを嫌がる理由はさまざまですが、飼い主さんに強制的に洗われた経験がトラウマになっている場合もあります」

 言われてみれば思い当たる節が。。。

「一度お風呂場を怖いと思ってしまうと、なかなか恐怖心をぬぐい去ることはできません。音が反響してさらにおびえてしまうこともあるので、大声は出さず、なだめるようにしながら、短時間で切り上げるようにしてください。水やシャワーが怖いなら、今日は足元だけというように徐々に慣れさせるといいですね」

 飼い主とコミュニケーションが取れれば、犬も安心できるんですね。

 手際をよくするための工夫が、シャンプー前のブラッシング。脇の下や耳の裏など、毛がからまる場所は特に念入りに。

ブラッシングをすることで、シャンプーが毛の間に均等に入りやすくなる効果も
ブラッシングをすることで、シャンプーが毛の間に均等に入りやすくなる効果も

「ワンちゃんは皮膚が薄いので、ぬるいくらいでちょうどいいです。毛の油分が水をはじいてしまうので、シャワーヘッドをワンちゃんの体にくっつけて、お尻から顔に向かってなでるように洗います。触られて嫌がる場所は無理強いせず、他の場所を洗って気をそらせます」

シャンプーが目に入らないよう、目元ぎりぎりは避けるようにします
シャンプーが目に入らないよう、目元ぎりぎりは避けるようにします

 嫌がって目にシャンプーが入ってしまう恐れがあれば、顔まわりはシャンプーを使わず、水洗いでOK。流すときは、顔→背中→お尻→脚の順に。高い方から低い方へ、すすぎ残しがないように流します。

指の間は汚れがたまりやすいのでしっかりと
指の間は汚れがたまりやすいのでしっかりと

「毛の短いワンちゃんを乾かすときは基本的にタオルドライで大丈夫ですが、毛が長いワンちゃんの場合、毛玉ができやすいので低温のドライヤーを使いブラシをしながら乾かしてください。嫌がって逃げ出しそうなときは、床より少し高い場所に立たせると行動範囲が狭まるので、ドライヤーをかけやすくなりますよ。ただ、落下には気をつけて」

 水を振り払おうとブルブルしそうになったら、肩を上から押さえると止められます。

 プロのトリマーは犬の骨格まで熟知しているので、手や脚を持ち上げるときも犬の負担にならない角度を知っているそうです。でも、それは普段からスキンシップをとっていれば自然とわかるようになると橋本さんは言います。

 シャンプーは、犬の健康はもちろん、清潔な生活空間を保つためにも大切なこと。自宅で洗えない場合は、プロに任せるのもひとつの方法です。爪切りや肛門腺(こうもんせん)のケアなど、自分ではなかなかできないケアもまとめてお願いするといいかもしれません。

 シャンプーを終えて、きれいさっぱり。これで安心して新年を迎えられそうですね。

(小笠原麻里)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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