愛犬ぷりぷりとの出会い(3) 毎日の注射、入院…

うちに来て少し経ったころ。ぷりさん短足時代
うちに来て少し経ったころ。ぷりさん短足時代

 前回からの続きです。


 わが家に来たその日、ぷりぷりはいきなり下血しました。


 もうパニックです。ネットで動物病院を探したけれど、すでに夜の8時を回っていて、どこも診療は終わっていました。


 ほとんど眠れずに迎えた翌朝、自宅からバスで10分ほどのところにある病院へ。


 肛門から体温を測り、その先についた便を顕微鏡で覗き込んで先生は言いました。


「お腹にいてほしくない菌や虫がたくさんいますね。下血したのは、コクシジウムという寄生虫の仕業です」


 いわゆる「虫下し」の抗生物質を処方されました。早ければ1週間程度で落ちるとのこと。

ぷりぷり短足時代2。散らかりまくりの(汗)ソファの上に興味津々
ぷりぷり短足時代2。散らかりまくりの(汗)ソファの上に興味津々

 その日は、食欲がないので背中から注射で栄養と水分を注入。そのときのぷりの体重はわずか500g。小さな体でじっと耐えている姿に、胸が締め付けられるようでした。


 夜になり、ドッグフードをなんとか少し口にさせて、薬を飲ませます。ケージに入れると、疲れたのかすぐに眠りにつくぷり。ところが数分後、聞きなれない変な音が。


 ぷりがえづいてる!


 そして嘔吐。薬も消化されず、そのまま出てきました。


 翌日、再び病院へ行くと「胃腸が弱っているから経口では無理かも。注射で入れましょう」と先生。


 その日から連日の通院が始まりました。毎日毎日、注射で投薬。痛がったり暴れたりしないことが救いでしたが、後から思うとそんな元気もなかったのかな……。


 1週間経っても2週間経っても、しかし、コクシジウムはいなくなりません。先生によると「猫は1ヶ月ぐらいかかることもあるけど、犬でこんなにかかる子は珍しい」。


 結局、5週目にようやくコクシジウムは駆除されました。ちなみに、その病院のワンコの最長記録を樹立したそう。

はじめてのお散歩。 ずっと体調が悪かったので遅いデビューに。にしても、もさもさ(笑)
はじめてのお散歩。 ずっと体調が悪かったので遅いデビューに。にしても、もさもさ(笑)

 その後もぷりは胃腸が弱く、嘔吐や下痢など、調子を崩すたびに病院へ駆け込む日々。月齢4ヶ月のときには1週間の入院も経験しました。


 その病院には約8か月通ったのですが、先日領収書を数えたら、85枚! 8か月で85回……よく通ったなぁ。あのころどうやって仕事をこなしていたのか、正直まったく覚えていません。

体調が少し落ち着き、ようやくトリミングデビュー。めっちゃかわいくなった!
体調が少し落ち着き、ようやくトリミングデビュー。めっちゃかわいくなった!

「この子はあまり大きくはなれないかもしれませんね」


 当時、獣医さんにはそう言われました。今、ぷりぷりはトイプーとしてはビッグサイズの4キロ超。ほかのトイプーちゃんと比べると、明らかにデカい。食欲モリモリで快食快便。9歳とシニア期に入っても、お気に入りのおもちゃをくわえて家の中を走り回っています。


 こんなに大きく、元気になるなんて、10年前のあのころは想像もできませんでした。

今やデカめ脚長トイプーに立派に成長したぷりさん。今年もひな祭り、楽しんだワン!
今やデカめ脚長トイプーに立派に成長したぷりさん。今年もひな祭り、楽しんだワン!

 その後、ぷりとオカンは「そこそこ健康ワンコへの道」を突き進んで行くことになります。そのお話はまたいつか。

中津海麻子
フリーライター。「酒とワンコと男と女」をテーマに、ワインや日本酒や食、ペット事情、人物インタビューなど幅広く取材、執筆。JALカード会員誌「AGORA」、同機内誌「SKYWARD」、「ワイン王国」「朝日新聞デジタル &w」「好書好日」などに寄稿。

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この連載について
トイプー「ぷりぷり」の二食昼寝付き
お出かけとおしゃれが大好きな食いしん坊のトイプードル「ぷりぷり」。一緒に暮らすフリーライターの愛情あふれるブログです。
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