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Powered by イスクラ産業株式会社・sippo|更新|2017/08/31

ペットにもつらい「残暑」を中医学で乗り切ろう

ペットの「中医学」講座 Vol.3 愛犬・愛猫の健康をともに考えよう!

料理研究家・藤野真紀子さんの愛犬、アンナちゃん
料理研究家・藤野真紀子さんの愛犬、アンナちゃん

 夏から秋へ季節が巡ると思いきや、気温はなかなか下がらないもの。残暑が尾を引くこの時期に体の不調が生じやすいのは、人間もペットも同じです。人間と同様、ペットのそうした不調を整えるのに役立つのが、中国4千年の歴史を誇る「中医学」。医学博士である楊達先生と、料理研究家の藤野真紀子さんが、厳しい残暑を乗り切るために大切なことを中医学の観点から語り合いました。


ペットの体質を把握したうえで、適切な残暑対策を

 

 中国には、「秋の虎」という言葉があります。暦では秋になったというのに、厳しい暑さがぶり返す。まさに残暑を表す言葉です。犬や猫は人間と比べて地面に近いところにいるので、地面からの反射熱も強く受けます。“虎”の脅威は人間よりも大きいといえるでしょう。

 

藤野 私が一緒に暮らしている犬の中で、ゴールデンレトリバーのアンナは今年で10歳。高齢なことに加え、食いしんぼうなのに寝るのが大好きなので、少し肥満気味なんです。毛量も多く、暑さがこたえるようで……。

 

料理研究家の藤野真紀子さん
料理研究家の藤野真紀子さん

 運動不足で肥満体型ということは、体内の「津液」が淀んでいる状態かもしれません。中医学では、体は生命の根源的なエネルギーとなる「気」、血液を表す「血」、栄養をたっぷり含んだ体を潤す水「津液」の3つで構成されると考えます。その津液が淀み、ドロドロになってしまった状態を「痰湿」体質というんです。他にも、元気のない、虚弱な「気虚」、血の足りていない「血虚」、血がドロドロしている「瘀血」などといった体質に分けて、体の不調を捉えます。

 

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胃腸の状態をよくする食材で、体内の“デトックス”を

 

藤野 アンナは「痰湿」体質かもしれないのですね。ドロドロした状態の水はどうすればきれいになるのでしょうか。

 

 まずは胃腸の状態を改善することが重要です。消化機能の働きがよくなることで代謝を促進し、老廃物をしっかりと排出できます。いわゆるデトックス効果で、津液をきれいに保つことができます。人間も暑いと氷の入った冷たいドリンクを飲みたくなるものですが、胃腸を急に冷やすのはよくありません。逆に、極端に温めるのもよくないんです。それは犬や猫も同じ。高齢になると、温度を感知する力が鈍くなり、胃腸を冷やしすぎたり、温めすぎたりしていることもあるので、気をつける必要があります。

 

藤野 散歩から帰って、犬たちがハアハアと舌を出しながら体温調節をしているのを見ると、つい氷水を飲ませたくなってしまうのですが、よくないのですね。食事についてはどうでしょうか。

 

 胃腸の状態をよくしてくれる食材として、山芋をはじめとした芋類、人参、冬瓜、はと麦などがあります。また、スイカは「清熱解暑」といって、体にこもる熱を飛ばす作用があります。特にスイカの白い皮の部分は、冬瓜と同様に体内の水をきれいに整える作用があります。暑い時期にはスープにして飲むといいですよ。旬の食材を選ぶことも大切。おいしいのはもちろん、得られる栄養や効能も高いんです。

 

中医学講師・医学博士の楊 達 先生
中医学講師・医学博士の楊 達 先生

藤野 食材には栄養素以外にも体を温めたり冷やしたり、様々な性質がありますが、スイカのように、それぞれの季節毎に体にとって必要なものを含む作物がちゃんと実り、私たちもそれを食べたくなったりおいしく感じられたりするというのは、不思議とうまくできていますよね。

 

 おっしゃる通りです。例えば、梨もそう。夏から秋へと向かう時期には、少しずつ乾燥し始めて肺の機能が弱まったり、負担がかかりやすくなります。肺の機能を支えるのには梨がよいとされ、漢方薬としても使われるほどなんです。

 

藤野 私も梨が好きで、この時期にはよく食べるんです。すると犬たちも食べたがるので、与えるとおいしそうにシャキシャキ食べるんです。

 

 梨は加熱するのもオススメですよ。中の芯をくり抜いて、氷砂糖と白キクラゲ、杏仁を入れて蒸します。中国では有名な食べ方なんです。ややぜいたくかもしれませんが、犬や猫に与えてもいいですよ。

 

オーナーとペットは一心同体。互いの健康が幸せを築く

 

藤野 以前一緒に暮らしていたゴールデンレトリバーが、がんになってしまったことがあり、その時に日々の食事がどれほど重要かということに気づかされました。

 

 中医学には「薬食同源」という言葉があるのですが、薬も食べ物も源は同じと考えます。ただ、食事もとりすぎると毒になります。現代の日本では、3食のうち夜の食事量が多い傾向にありますが、本来は、体を休める夜の食事量は腹八分目に、体を活発に動かす昼の食事を一番多くとるのが理想。オーナーである人間の食生活が乱れていくと、生活をともにする犬や猫の食生活も乱れていきます。最近の犬や猫がかかる病気といえば、人間と同じ生活習慣病が主体。オーナーが自分の健康を管理できるからこそ、犬や猫の健康も管理できるのだと思います。

 


藤野 つらい時に気持ちを慰めてもらったり、心の支えになってくれたり、私は犬たちから本当にたくさんのものをもらってきました。だからこそ彼らに感謝の気持ちを伝えていきたいし、いつまでも健康でいてもらいたいと思います。そのためには私自身の健康管理も大切。オーナーとペットがともに健康でいられるからこそ、互いの幸せを分かち合うことができるのですね。

 

 中医学で、幸せの条件は3つあります。1.きちんと自分で動けること。2.おいしく食べられること。3.自分の頭で考えられること。
これはペットにも同様に考えられると思います。

 

藤野 最後まで一緒に散歩ができたり、ごはんをおいしく食べさせてあげられたりというのは、まさに私の望みです。中医学に学ぶことはたくさんあると感じました。さっそく、私と犬たちの食事や生活習慣にも中医学を取り入れたいですね。

 


楊 達 先生
よう・たつ 中医学講師。医学博士。イスクラ産業株式会社取締役。1982年、中国雲南中医学院医学部卒業。同学院内経教室、大学院、中医外科(皮膚科専門)教室で助手、講師などを経て、93年埼玉医科大学皮膚科教室へ留学。医学博士号を取得する。以来、今日まで中医学の普及活動に従事。現在中華中医薬学会会員、世界中医薬学会連合会常務理事、世界中医薬学会連合会皮膚病専門委員会理事、中国雲南省中医薬学皮膚美容専門委員会名誉主任委員、中国雲南省中医学院客員教授などを務める。

 


藤野 真紀子 さん
ふじの・まきこ 1949年、東京都生まれ。料理研究家。ニューヨークでアメリカン・ベーキングを学び、パリの「エコール・リッツ・エスコフィエ」でお菓子と料理のディプロマを取得。2011年フランス共和国農事功労章シュヴァリエを受勲。05年から衆院議員を1期務める。動物愛護の活動に積極的に関わり、14年4月、著名人や社会起業家らとともに「TOKYO ZEROキャンペーン」を立ち上げる。これまで数多くの保護犬を引き取り、ともに暮らしてきた。

 

イスクラ産業株式会社

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