投げたおもちゃを取ってくる“芸達者”の猫 実家は大盛り上がり

実家の猫、Kちゃん。大きくなりました。
実家の猫、Kちゃん。大きくなりました。

 実家の猫、Kちゃんが1歳になりました。


 Kちゃんは、生後2~3か月ごろに、姉が知人宅から譲り受けた猫ですが、家族のなかで父が一番かわいがり、甘やかしていました。


 先日帰省したときも、父の猫フィーバーは継続中でした。


 このコラムのことが実家にバレてから、初めての帰省だったせいか、実家に帰るなり、父に言われました。


「Kちゃんのこと、もっと書いて~(ニヤニヤ)」


 若干、イラっとして苦笑いで流す私。書いてとせがんだところで、父はパソコンを持っていないし、携帯はガラケーなので、そう読むことはないのでしょうが……。


 父「Kちゃんは、おもちゃを投げると取ってくるんだよ! そんな猫いないだろ!?」


 年老いた父のドヤ顔を久々に見ました。元気で何よりです。


 私「へー、すごいねー、どれ、見せて」


 本当は大して興味はなかったけれど、これも親孝行だと、前のめりな雰囲気を出してみました。すると、父は早速ノリノリでおもちゃを投げました。


 父「Kちゃん! ホラ、取ってこい!」


 父がおもちゃを投げると、父の横で見ているKちゃん。


 普段家にいない私がいるから緊張しているのか、“持ってこい”をやろうとしません。


 父「あれ、取りにいかない。おかしいな」


 私「私がいるからじゃない? 私がいない方向に投げて、もう一回やってみてよ」


 と、父におもちゃを渡しました。


 父「そら! Kちゃん、持ってこい!」


 父が投げたおもちゃを、座ったまま眺めるKちゃん。


 父「いつもは持ってくるんだけどなぁ……」


 しょんぼりする父。


 この一連の流れ、テレビでよく見かけます。芸をするペットとして応募したものの、撮影隊や観客に緊張して、動かなくなるアレだ。


 飼い主からの“圧力”も、特に猫にとってはうっとうしいものなのかもしれません。期待に応えることに、何となく抵抗してしまう感じ。


 こうして“持ってこい”の芸は、このまま見られないかと思いきや、翌日に達成されました。父の執念が勝利したのです。


 父がおもちゃを投げると、Kちゃんはタタタと走り寄り、くわえて父の元におもちゃを持ってきました。また投げてと催促しているかのようです。


 母「ホラ見て、Kちゃん、やってるよ!」


 姉「かわいいねー、Kちゃん」


 母まで興奮気味に猛アピールしてきます。姉はさり気なく、かわいさを強調。


 私「すごいねーKちゃん。うちの猫もやらないよー。かわいいねー」


 確かに、Kちゃんの持ってこいの芸はかわいかったのですが、ネットで検索すると、犬はもちろんですが、猫にとっても割とポピュラーな芸であることが判明しました。


 家族総出でドヤ顔される筋合いはなかったわけです。でも、Kちゃんはみんなに愛されているんだと実感して、あたたかい気持ちになりました。


(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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