猫に「病院」は通じない でも「好き」な気持ちは伝わってる?

舌が出ちゃったあんず(左)とモモ
舌が出ちゃったあんず(左)とモモ

「さんぽ」「ごはん」「びょういん」「くすり」のような言葉に、飼い犬が反応するという話をよく聞きますが、我が家の猫の場合はイマイチ聞き分けることができていないようです。


「散歩」はしないので言葉に反応しないのは当然ですが、犬の散歩くらい楽しみにしている「遊び」という言葉にも反応しません。


 と言っても、散歩好きの犬の場合なら「散歩に行こう!」と呼びかければ喜んでくれるだろうけれど、猫の場合はこっちが「遊ぼう!」と呼びかけても、乗り気でない限り一切喜びません。猫が遊びたいときはすでに、猫の方から猛アピールしてくるので、「遊ぼう!」と言おうが、「面倒くさいな」と言おうが、私がおもちゃを持てば大喜びします。


「ごはん」はこっちが言う前から鳴いて要求するし、「病院」については、たまに行く用事のあるキジトラ猫モモも、覚えてくれません。


「モモちゃん、病院だよ~」


 と呼びかけても、「はぁ? 眠いんですけど」といった表情で、怯えたり、逃げたりすることはありません。


 病院に連れていくために入ってもらうキャリーバックを出したところで、ようやく「あれが出てきたということは…」とじわじわ気づき始めて、身体を固くします。


 病院という場が怖くて、病院で体重を計るだけで体毛が抜けてしまうモモですが、「びょういん=あの怖い場所!」とはつながらないようです。


「モモちゃん、お薬だよ~」


 と言っても同じで、言葉には反応しません。その代わりに、薬が入っているアルミのパッケージを触って“チャリ”っと音をさせるだけで、逃げ出します。


 なので、前もって薬をプチッと出しておく必要があります。


 猫にとって嫌な言葉は覚えていないほうが、人間同士の会話の際にも気楽なのかもしれません。でも、言葉が通じればいいのに、と思うこともあります。


 それは「ごめん」。


 ごはんの要求や甘えたいとき、猫は足にまとわりついてくるので、突然だったり死角に入っていたりすると、軽く蹴るように足が当たってしまうことがあります。


 とっさに「あっ!ごめんね」と言うのですが、猫は「ニャ…」とか言うだけ。たぶん私の申し訳ない気持ちは伝わりません。


 猫トイレの片づけを後回しにしているときも、「あっ、忘れてた、ゴメン」と言ったりしていますが、そんな言葉は猫に通用しません。


 人間の場合、「ごめん」の一言で取り返しがつくことが多いけど、猫には通じないのだから、言わなくても済むように、こっちが気を付けるべきなのかもしれません。


 一方、猫への愛情が強くなると、「あんずちゃん、モモちゃん、好き好き~」と言って頬ずりしたりしていますが、それだけは通じるのか、2匹とも喉をゴロゴロ鳴らします。


 言い方だとか、態度で判断しているのかもしれないけれど、言葉が通じなくても、愛情だけは常に表現して、信頼関係を築いていきたいと思っています。


(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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