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食品衛生法指針には「施設内では動物を飼育しないこと」とあるにもかかわらず…

 動物カフェ、花盛りです。


 動物がたくさん飼育されている場所で、しかもお客さんに触らせている状態で、どうして飲食店の営業が許可されるのかとても不思議ですし、そういう質問をよく受けます。


 もちろんペットボトル1本渡すだけにして食品衛生法の規制がかからないようにするというのは一つの裏技(?)として知られていますが、ここで言いたいのはそういう店ではなく、カワウソ、ミニブタ、さまざまな種類の鳥類・爬虫類などたくさん!の動物を飼育し触らせる店舗でありながら、しっかり洋食を出すような店についてです。


 カフェというよりレストランですが、営業許可が出ています。


 そういう店に許可を出している名古屋市に確認したところ、


● 厨房に動物を入れなければOK
● 調理師が動物を触った場合でも手洗いをすればOK


 等のルールで許可が行われていることがわかりました。


 O157でトングがどうとか騒がれている一方で、動物の生体は全く問題にならないのは不思議です。


 実は、こういった飲食店等の許可の基準は、都道府県等の自治体が条例で定めることになっています。


 そして驚くのは、その条例制定に際して自治体が参考にできるように厚生労働省が示している指針「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」には、なんと「施設内では動物を飼育しないこと」とはっきり書いてあるのです。


 でも、これを受けて制定された「名古屋市食品衛生法に基づく公衆衛生上講ずべき措置の基準等に関する条例」では、まさにその部分だけが削除されていました。<下図参照>

 

◆ 厚生労働省のガイドライン


2 施設の衛生管理


(1) 施設及びその周辺は、定期的に清掃し、施設の稼働中は常に衛生上支障のないように維持すること。


(2) 製造、加工、処理、調理、保管、販売等を行う場所には、不必要な物品等を置かないこと。


(3) 施設の内壁、天井及び床は、常に清潔に保つこと。


(4) 施設内の採光、照明及び換気を十分に行うとともに、必要に応じ、適切な温度及び湿度の管理を行うこと。


(5) 窓及び出入口は、開放しないこと。やむをえず、開放する場合にあっては、じん埃、そ族、昆虫等の侵入を防止する措置を講ずること。


(6) 排水溝は、排水がよく行われるよう廃棄物の流出を防ぎ、かつ、清掃及び補修を行うこと。


(7) 便所は常に清潔にし、定期的に清掃及び消毒を行うこと。


(8) 施設内では動物を飼育しないこと。

◆ 名古屋市の条例


2 営業施設等の衛生管理


(1) 営業施設及びその周辺は、定期的に清掃し、営業施設の稼働中は常に衛生上支障のないように維持すること。


(2) 製造、加工、処理、調理、保管、販売等を行う場所には、不必要な物品等を置かないこと。


(3) 営業施設の内壁、天井及び床は、常に清潔に保つこと。


(4) 営業施設内の採光又は照明及び換気を十分に行うとともに、必要に応じて適切な温度及び湿度の管理を行うこと。


(5) 窓及び出入口は、開放しないこと。ただし、じんあい、ねずみ、昆虫等の侵入を防止する措置を講じた場合は、この限りでない。


(6) 排水が良好に行われるようにするため、排水溝への廃棄物の流出を防ぎ、かつ、その清掃及び補修を行うこと。


(7) 便所は、常に清潔に保ち、定期的に清掃及び消毒を行うこと。

 こういうからくりで、施設内で動物を飼ってもいいことになっていたんですね!


 ちなみに名古屋市では、上記(2)の「製造、加工、処理、調理、保管、販売等を行う場所には、不必要な物品等を置かないこと」とある部分の「不必要な物品」に動物が該当するため、調理場に動物を入れてはいけないという運用をしているそうです。


 でも調理場だけです。


 どうもドッグカフェなどを許可できるようにこのようになっているようですが、飼い主が自分の犬を連れて来るのは飼育には該当しないかと思いますし、観光牧場なども動物飼育舎とレストラン等は別の建物になっているかと思います。ここまで基準を緩くする必要があるのでしょうか。


 でも結局、まだ問題が起きたことがないから、こうなります。


 厚生労働省にも聞いてみましたが、食品衛生というのは、汚染の可能性を想像し始めるときりがないので、問題が起きたら対策していくという考え方で進められているそうです。合理的ではあります。


 つまり、動物を触ったりする店だとわかって食べに行く客は今のところ自己責任ということですね?と思い聞いてみたところ、保健所の人も「そうですね」と言っていたので驚きました。(つられただけだと願いたいですが!)


 ちなみに、食品衛生法も来年の通常国会で改正が見込まれています。


 全ての食品事業者に対し、衛生管理の国際基準である「HACCP(ハサップ)」の導入を義務づける方針であり、どのようにするのかということを現在厚生労働省の懇談会で検討中です。


 HACCP義務化と動物の飼育・お触り(ふれあい)が両立するのか?


 私たちはもちろん、動物のストレスや福祉の問題から動物カフェを問題視していますが、衛生問題も大きな懸念点です。


 この辺で厚生労働省の本気度が試されるかもしれません。

PEACE

PEACE(ピース)

2012年設立。会の名称「PEACE(Put an End to Animal Cruelty and Exploitation)」には、「真の平和とは、人の平和だけを指すのではない」との思いが込められている。調査、普及啓発、政策提言などの活動を行っている。
URL:http://animals-peace.net/


from 動物愛護団体の記事


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