TOP > ゴミ袋で捨てられていた犬 愛され上手な甘えんぼうに

ゴミ袋で捨てられていた犬 愛され上手な甘えんぼうに

大日方さんとヴィヴィアン
大日方さんとヴィヴィアン

「本当はフォスターになりたかったんです。そのほうが多くの保護犬に新しい飼い主を見つけるまでの手助けができると思ったから。でも一緒にいたら家族同然になってしまい、手放すなんて無理でした」

 

(末尾に写真特集があります)


 パーソナルスタイリストの大日方久美子さんとパートナーは、キャンディ(8才/メス)と、JIRO(推定9〜10才/オス)の元保護犬2匹と暮らしていた。今年8月、新たにもう1匹の保護犬を引き取ることになったのは、引っ越しがきっかけだった。


 以前よりも広い住まいになり、かねてから望んでいたフォスター(保護犬猫の里親が決まるまでの一時預かりボランティア)になろうと、JIROを保護した団体に連絡をした。


「団体の方に『大型犬でもいいか、病気の犬でもいいか』と聞かれましたが、私は『どんな子でもいいです。次に団体のところに来た子を預かります』と伝えていて。来た子がヴィヴィアン(推定1才/メス)でした。うちに来たときのヴィヴィアンは、毛はほとんどない、やせ細って“骨しかない”状態でした」

 

膝の上でくつろぐヴィヴィアン
膝の上でくつろぐヴィヴィアン

 ヴィヴィアンが発見されたのは住宅街だった。

「おむつをしてゴミ袋に入れられて、捨てられていたそうです。おむつの中はカピカピになったウンチだらけ、ヴィヴィアンの体にもウンチがこびりついていて洗っても取れない。毛は切るしかなかった。どこかにずっと閉じ込められていたのか関節は曲がり、床ずれがあり、ごはんももらえておらず餓死寸前だったそうです」


 連絡を受けて引き取った保健所でも、すぐに死んでしまうかもしれないと思われたヴィヴィアンだったが、ごはんを少しずつ食べ、生きようとした。保護されていた1〜2週間のうちにみるみる回復し、大日方さんのうちに来てからは、さらに体調も良くなった。


「来て1週間で、家の中を走っていました。ずっと私の後をついて回って。2週間経つ頃にはソファーの上にぽんっと飛び乗るようになったんです」

 

2匹の先住犬とも仲良し
2匹の先住犬とも仲良し

 2匹の先住犬たちとも相性は良く、生活スペースを分けることはしなかった。ただし、ヴィヴィアンのごはんだけは、小分けにして1日5回。先住犬たちが1日90グラムのところ、ヴィヴィアンには1日200〜300グラム。ヴィヴィアンが来た当初、大日方さんは夜中の2時から5時に1時間おきに起こされ、一時は育児ノイローゼ気味にもなったが、今は夜中に起こされることはなくなったという。


「ヴィヴィアンは『私、私、私!』という性格。けっこう生意気なんですよ。ソファーにかけてキャンディをなでていたら、背もたれ側からぐいぐい詰め寄って来たりするんです。友人たちにもヴィヴィアンは可愛がられていて、里親に出そうか迷ったとき、彼らに『嫁には出さん!』なんて言わせて(笑)。すっかり骨抜きにされていますね。彼女は愛され上手ですよ」


 元気いっぱいなヴィヴィアンたちとの暮らしを幸せそうに語りながらも、子犬を飼うことは想像以上に大変だとも話す。


「犬の資質や性格もですが、ヴィヴィアンには過去の記憶もあるので、しつけは一筋縄にはいかない。そんなこと何も知らずに子犬を買ってしまう人もいるので、犬の生体販売のあり方は考えて欲しいですね」

 

カフェへも行きます
カフェへも行きます

 ヴィヴィアンは目下、トイレのトレーニング中。散歩となると外に出た瞬間に怖がって震えてしまい歩くだけで精一杯、家の中ではトイレシーツの上でする経験がなかったせいか、ところ構わずしてしまい、場所をなかなか覚えられないという。


「生きてくれたから、元気でいてくれるだけでいいじゃないって、つい甘くなってしまうところはありますが、トイレは覚えてもらわないと。キャンディは元繁殖犬で、JIROは元保護犬。つらい過去をもつ犬を引き取ると、つい過去を想像してしまいがちですが、私はネガティブに考えずに『いまあるもの』に目を向けてきました。犬たちのいる暮らしはとても幸せ。私の一番大切にしていることです」


(文 小見山友子)



 

ヴィヴィアンの出身団体「 動物保護団体パウパッズ」
飼育放棄や放浪で動物愛護センターに収容された犬猫を引き出し、ボランティアの家庭でケアを行いながら、保護した犬猫たちに新しい家族を見つける活動をしている。川崎市動物愛護センターに収容された重症・重病の犬猫に対して医療協力も行っている。活動拠点は湘南地域、川崎市、東京都内。
http://pawpads.sub.jp/
大日方 久美子(おびなた くみこ)
ファッションアドバイザー/パーソナルスタイリスト
様々な業界を経て2013年に独立。現在はファッションアドバイザーとして、企業とのコラボレーションやパーソナルスタイリストとして活動中。著書に「“エレガント”から作る大人シンプルスタイル」(KADOKAWA)がある。
Instagram @kumi511976
Official Blog http://ameblo.jp/findyou-kumi/
前へ
3匹が一緒に寝ている、幸せな一コマ
次へ
出典:INUTONEKOTO
1/20
前へ
次へ
INUTONEKOTO

INUTONEKOTO(イヌトネコト)

http://inutonekoto.com/
犬や猫が好きな人々が楽しめるWEBマガジンです。犬と猫と人との暮らしがより良くなること、幸せな犬と猫を増やすことを目的に運営しています。保護犬や保護猫と暮らす人々のライフスタイルを伝えていくことを中心に、犬や猫にまつわる情報をお届けしています。
公式SNS
Facebook https://www.facebook.com/inutonekoto/
Twitter https://twitter.com/inutonekoto_
Instagram https://www.instagram.com/inutonekoto/


from INUTONEKOTOの記事


専門の獣医師があなたの疑問にお答えします(健康医療相談)